なツマグ

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望月あきら

望月あきら●けむりの王さま

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発行:昭和42年1月1日 小学館 小学四年生正月号ふろく 新書判 77頁
原作:生田直親

ポパイ(百々山三明)の兄(一彦)は、工場で足の指を三本つぶしてしまいクビになる。一彦は家出してグレン隊のなかまにはいる。ポパイは古物屋のりんじやといにありつき、母と弟・妹のめんどうをみることに。さらに、列車からの石炭のこぼれを売り、クリスマスにはケーキを買う。兄・一彦は海にでてりょうしなるといって去っていく。

空地にある列車に住まわせてもらっていたポパイ一家だが、立ちのきを迫られる。クラスのみんながプラカードをもって反対運動をしてくれる。社長はその友情を育てることをじょうけんに、よう求をききいれる。ポパイはみんなにかりができた、このかりはきっと返すぜと誓うのだった。で幕。

「けむりの王さま」から公害問題がテーマかと思ったが、全然違った。工場のたくさん集まった町はけむりが王さまだが、ポパイはそのけむりよりえらくなってやるぜと思う。まずしさ・苦しさにまけずに力強く生きようという話だった。

期待した表紙の画風と違って、中身はユーモアマンガ風だった。でも、これもなかなか味があっていいナ。


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神保史郎●サインはV!(小説版)






発行:昭和49年3月31日 秋元書房 秋元文庫 ファニーシリーズ 文庫判 230頁
絵:望月あきら

"少女フレンドに連載したものをもとに、まとめたもの" と記されている。う〜む、すると変更や省略があるのかな。。連載は、明らかにテレビドラマとのタイアップだろう。マンガ版はテレビでは岡田可愛主演、この小説版はテレビでは坂口良子主演。なぜマンガではなく、小説なのかな? 望月先生がいそがしかったのだろうか? ローティーンブルースの頃かな。(ローティーンブルースは、望月先生が結核あがりの頃、健康上の問題もあったのかも…)

立木武蔵を去った牧圭介は、藤村圭介と名前を変え、全国の中学、高校のバレー少女をコーチして廻っていた。朝丘ユミと似た境遇の江川ゆかと、コーチになって体を壊した朝丘ユミらの懇願もあり、バレー界の監督に復帰する。

新チーム新光物産は、負けるチームにすると牧は宣言。そのとおり、まずは立木武蔵の二軍に負ける。関東二部リーグ戦では初勝利をあげるが、二戦目、たつまきアタックを放つ高原アキの光工業に倒される。対立していた江川ゆかと立花陽子はうちとけて、再出発を誓う。

TBK杯に優勝した新光は、全日本選手権に出場が決まる。第一回戦、相手は立木武蔵。電車の架線故障で、ゆかを含むチームの半分である六人が試合に遅れる。が、ぎりぎりで間に合い、ゆかは新技・Vの字アタックを決める。試合は奇跡の逆転。そのあとは連戦連勝、決勝の相手は光工業。

決勝戦の朝、牧は姿を消す。残された手紙には『バレーに必要な最低の技術は全て君たちに託した。スポーツに監督は必要ない。人生に監督は必要ない。これが俺の自論だ。』と。白熱する決勝戦の模様がえがかれる。自分を思いっきり表現するところに、バレーの素晴らしさがあると、ゆかは心の中で謳っていた。(これよゆか。これがサインはVよ!)で、幕。

マンガ版を知っていると、ボールを足で蹴っての登場、バレーに姉さんを殺された江川ゆかは、朝丘ユミと同じだなとニヤリ。椿麻理の役は立花陽子だ(こちらは中卒でなく高卒だが)。はじめての試合で負けるのも一緒。マンガ版では、やたらタクシーを飛ばして試合に間に合うかシーンがあったが、こちらは電車で六人とスケールアップしている。で、マンガ版を知らない人がこの小説だけを楽しめるか…!? あ、それより坂口良子版ドラマを観た人が読む小説ってのが正道か。

そういや朝丘ユミも出てくるのだが、港工業という実業団のコーチにおさまっている。そんな歳か〜? この小説は牧が立木を去ってから三年後の物語。マンガ版の最後、ユミはまだ18歳くらいのはず。するとこの小説では多めにみても22〜23歳であるはず。まだまだプレーヤーとして現役じゃないの? 椿麻理にいたっては、結婚して子供が二人いると。まあ古いキャラに現役で居座られては、新光の話が進めにくいのだろうけど。

マンガでないので必殺技の迫力が伝わりにくい。立花陽子の「必殺直線アタック」、高原アキの「たつまきアタック」、江川ゆかの「Vの字アタック」。たつまきアタックは、望月先生のイラストで少しわかるけど。Vの字アタックは、ボールがレシーブ直前で鋭い角度で上へ浮きあがり、レシーバーの顔面を直撃するすごい技なんだがな〜。

さて、「サインはV!」全体を考える。ユミやジュンがライバルと戦って成長していく感動の物語としては、今までに出たコミックスで十分だろう。しかし、牧圭介という立派だがちょっとヘンな指導者を知るには、この小説版まで含めた完全版が出てもよいのではなかろうか。ジュンの遺影を叩き割る冷たい仕打ちをしながらも、実は人間的に選手を成長させたかった、機械的な甲賀大二郎とは対照的だった、とわかるブラックスター編も含めての完全版を。




望月あきら・神保史郎●サインはV! 青春Vサイン

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↑白抜き文字がつぶれて読めねェ…
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発行:昭和45年8月1日 講談社 別冊少女フレンド8月号より B5判 50頁
原作:神保史郎


ひばりヒットコミックス10巻(別巻)、講談社KCの別巻1、ともに収録されている作品は別フレの
「白いボールはしっていた」1969年9月号
「なみだのVサイン」1969年12月号
「Vサインをこのむねに」1970年4月号
「炎のVサイン」1970年6月号
以上4作品。
(KCは雑誌トビラそのままアミで1色処理、ひばりは新たに起こされたスッキリトビラ)

この「青春Vサイン」1970年8月号は、講談社KCなら別巻2に入るはずだが、なぜ発行されなかったのかな? ブラックスター編と一緒に原稿を無くされたのかな〜?
ちなみに、別フレ1970年12月号には「ある少女のいのり」という短編が載る。これは「サインはV!」ではなく、交通戦争をテーマにした作品
で、つぎの週フレ連載「大が燃えた」につながるようなシリアスもの

ユミは普通の女の子のように恋やおしゃれがしたいと、南条化学との試合前日に寮を出る。実家で一夜を過ごし、試合当日は中学時代のクラスメート・風巻とGoGoスナックケイ,で、のんでおどる。山下公園で自分の青春はバレーボールだと気づかされ、風巻のバイクで試合場の駒沢体育館へ。

風巻から自分のやるべきことをさとされる無言シーンのコマ運びは絶妙! ネットの時代、マンガは形態を変えモノクロやコマ割りは無くなっていくと思うが、完全にアニメ・ゲームになってしまうものでもないしネ〜。

おなじみの試合に間に合うかパターン。今回は試合が終わりそうな最終セット。結果は描かれないけど、派手な魔のX攻撃のシーンで「朝丘の出場で息をふきかえしました立木」とあるから、まぁ勝つんだろうネ。

次でサインはV!記事はおわり。もはやマンガではないけど。。





望月あきら・神保史郎●サインはV! 魔のブラインドレシーブ

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発行:昭和45年8月1日 講談社 なかよし8月号ふろく なかよしコミック デラックス版
B5判 48頁

実写版サインはVの、テレビ撮影終了に合わせて出たなかよしのふろく本。テレビ放送のラストを盛り上げようとする企画かな!?

スピーディーなマシンガン攻撃をする三光石油との試合にそなえ、レシーブの特訓をする立木の選手たち。三光を偵察に行った牧は、黒い手袋をはめてちいさなゴムマリで練習する選手をみて、思っていたよりおそろしいと衝撃を受ける。だが、牧もユミたちもそれをやぶる手をみつけられなかった。

牧が大学二年の時、バレーのコーチをした南条勇一の姉が訪ねてくる。勇一はチームプレーには向かなかったが、プロボクサーになったと。ジムに練習を見に行った牧は、耳が不自由な勇一があいてのうごきを見てパンチを読みそのぎゃくをつくさまを見て、これだとひらめいた。

暗いコートで、スパイカーの姿だけにライトが当てられ、黒いボールがうたれる特訓が開始される。あいてのうごきだけを見てレシーブするためだ。それでもボールを見ようとするため、ユミはあいてがボールをうつしゅんかんうしろむきでボールをおって、背面跳びでレシーブする魔のブラインドレシーブを完成させる。

こうして全日本選手権後半第二戦、三光石油との試合でマシンガン攻撃をやぶった。で幕。

コミックスの別巻には収録されていない話。しかし、これはちゃんと望月先生の絵だし、ジュンが入院中の全日本選手権の話だ。他のサイドストーリーよりも本編に関係ある。これこそコミックス別巻に収録されるべきなのでは?

つ、次もサインはV!なのじゃ〜〜〜






望月あきら・神保史郎・池沢さとし?●サインはV!

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発行:昭和44年11月1日 講談社 なかよし11月号ふろく デラックスなかよしブック B6判 98頁

表紙は望月あきら先生だが、中身の絵は池沢さとし先生。もしかしたら当時アシスタントだった逆井五郎先生も手伝っているかも知れない。

魔のX攻撃で活躍するユミにあこがれた少女が立木製作所を訪れる。チームにいれてくれとたのむが相手にされない。秋田から家出してきた少女は、山本第一小学校五年五組の桜井英子。もらいっ子だとわかったショックで家出してきたのだった。

牧は英子にレシーブギブスをつけさせて練習させる。が、英子はとてもたえられなかった。牧は、もらいっ子だったというかなしみにも勝てないのに苦しいトレーニングに勝てるわけがない! とさとす。ボーイフレンドの黒木哲也が牧に話したのだった。さらに育ての父母も連れてきており、英子はかならず立木にはいると誓って帰っていく。で幕。

単行本未収録のサイドストーリー。絵は望月先生でないし、話はありがちなものだし、まあ未収録で当然か。テレビ放送開始を盛り上げるために、フレンドばかりでなくなかよしにもサインはV!掲載というわけだろう。さすがに望月先生は、これにまで手が回らなかったのではあるまいか。

まだまだ、サインはV!記事は続くよォ〜〜。


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