発行:1966年6月頃 若木書房 ゆめNo.78より
本村三四子先生風の絵なのでなじめるし、さらに心理描写がうまくて感情移入できる。
白い炎とは、梨花が妹・梨沙にむける嫉妬の炎だ。梨花と梨沙はふたごだが、祖母はふたごはえんぎが悪いといういい伝えを信じていて、一歳のころ目がみえなくなった梨沙を従業員夫婦に引き取ってもらった。梨花は同情はするものの、それよりも好きな信次の妹として暮らしていることに嫉妬する気持ちの方が強いのだねぇ。。
信次と出会った梨花。彼といっしょに歩いている少女をみた梨花は面白くなかったが、妹だとわかりほっとする。が、あまりに可愛がられているので、また嫉妬の気持ちがめばえてくる。(本当の兄妹じゃなかったのでこの嫉妬の気持ちは正しいヨ)
信次と梨沙は梨花の家にまねかれる。梨花の父母は梨沙がふたごの妹だと気づいた。その話をしようとしたところへ信次の母が交通事故にあったと電話が入る。信次と梨沙は病院へ。母は片足を切断されていた。
真実が梨花たちに告げられる。梨花は梨沙に家にくるようにさそう。父が梨沙と信次の母の治療費を出すからと(こなくても治療費は出すはずと思ってはいたがそれは言わなかった、信次と梨沙をひきはなしたかったから)。信次と母の足手まといにならぬようにと梨沙は梨花の家にいくことに。
手術をして梨沙の目がみえるようになった。梨沙は前の家に帰してほしいと父母と姉・梨花にたのむ。これで足手まといにならず、育ての母や信次をたすけられるからと。梨花は父母に「梨沙のいうとうりにしてあげて…!」と。
ラストは梨沙を送り出し、春の雨のなかで梨花が立ちつくすシーン。白い炎はこの雨で消されたのだろうネ。