発行:東邦図書出版社 定価170円
わたなべまさこ先生風の絵、三条こみち先生とは対照的に細い均一な線できれいにまとめられている。が、やはりわたなべ先生風は難しい、、わたなべまさこ先生自身にしてからがギリギリ成立してるって感じだから。。
話はオーソドックスながらうまくまとまっている。泉谷ユリは白石市中学校へ転校そうそうアキレス腱を切って入院。担当の外科医長・牧村謙三先生はユリと同じクラスのいじわるな京子の父だったが、非常に親切でユリのママが女優だということも知っていた。
東京からユリのママ・泉谷咲子が見舞いにきて、牧村と顔をあわせそのわけがわかる。牧村が大学生のとき二人は出会いいっしょにくらしはじめた。が、咲子は貧乏がいやで牧村と別れる。その時、咲子のおなかのなかにユリがいたのだ。京子は牧村がはじめて手術をした患者の子で、その患者が死んでみなし子となったのをひきとったのだった。
ユリは退院して、牧村とのピクニックをたのしみにしていたが、あらわれたのは京子。パパとくちをきかないでといって去っていく。そのかえり、京子は咲子と会う。京子は牧村のほんとの子ではないと知っていて、きらわれないかとなやんでいた。ユリがほんとの子ではないかと。咲子はそれは京子のおもいすごしで、ずっと昔にわたしが牧村さんをしってたことがあるだけだと。京子は安心し、いじわるしたことを後悔する。
咲子は東京へかえって小さなお化粧品の店を出し、ユリといつもいっしょにいられるようにすると。ユリはよろこぶ。さいごに牧村親子と泉谷親子の四人でピクニックをたのしむ。東京へ向かう列車のなかで 咲子は思うのだった、いつかきっと謙三をユリのパパとしてあわせてやれる日がくるにちがいない、と。




