発行:金園社 定価150円 中川秀幸少女漫画シリーズ3

もンのすごいメヂカラだ〜! 強烈アイラインそしてまつ毛ー! で、目に(他もだが)感情が感じられねぇ。。1980年代のひさうちみちお先生のようなわざと線の強弱による感情を消した表現ともとれるけど。。まあ少女漫画シリーズとして3冊目なので、それなりに人気はあったのだろう。

バイブルっぽいイメージ効果をねらってか、全ページ外枠が飾り罫で囲まれるという豪華!? な仕様、イラスト調のパターンが多用された凝った絵、それが192頁もある。B6判ハードカバーの時代は128頁が定番で、A5判ソフトカバーの時代も130頁前後に落ち着くのだが、A5判へ移行しているこの頃はページ数が増えたのだった。それにしても192頁は最長に属するのではないかなあ?

松井はるみは岡乃ルネと同じ中学校に通っているが、岡乃家の女中でもある。実ははるみとルネの母親は音楽界のライバル同士で、はるみの母は外国へ行く際ルネの母に家と貯金通帳をあづけていった。ルネの母ははるみの母に、はるみが死んだとウソをついた。はるみの母はショックで外国の修道院へ。で、ルネの母はまんまと家と金をのっとりはるみを女中にしていたのだ。

そんなはるみなのに全然可哀想に思えねえ。。多少絵が変でも可哀想に思える方なんだがな、、あまりにも強力に化粧された顔、体までも無表情に思える絵、、セリフは丁寧すぎるきらいはあるがまあ普通なんだけど。アンリー王女とまちがわれて襲われた時、死んでても可哀想とは思わなかっただろう。。(強力化粧でお高い感じでも、ディズニーのマレフィセントなんか同情しちゃうんだけどなァ〜)

F国の内乱がおさまり、アンリー王女を殺そうとしていたエドワード大使もつかまったあとアンリー王女は、はるみと家庭教師の立花一平にF国に来てほしいと。希少なH型の血液をはるみから輸血されても改心しないルネの母親にいやけがさしていた一平は留学するつもりだったが、シスターにさとされて日本に残る。はるみだけが留学することになり、乗り込んだ機内でアンリー王女からはるみの母にちがいないシスターがF国にいることをきかされる。

一平からかりたバイブルをよみ、ルネは改心する。だが、ルネの母は相変わらず、それに絶望したルネは自殺しようとする。一平がルネを救い、それを機にようやくルネの母も改心。

ラストは三年後、ピアノコンクールで優勝したルネのリサイタルにはるみが友情出演し共演するシーン、、でも、あまり感動できないなあ。。。