発行:1963年10月頃 東京漫画出版社 バンビブック

「母」! どストレートすぎるタイトルだ。。ふたごが主人公なので、それを連想させる言葉を付け加えりゃよかろうに。細野先生といえば少女フレンドでのくせのないきれいな絵が思い浮かぶ。が、この作品のノリ(ノリコ)とリコ(エリコ)は、愛嬌たっぷりなくせのある魅力的な絵だ。

大体ノリちゃんリコちゃんがそろっていて、よくしゃべる。にぎやかに話は進み、サングラスの謎の女が出現。もうこの女が二人の母親だとわかる。何せ登場人物紹介で女はあと一人、お手伝いのおシゲおばあさんだけだもの。。「母」というタイトルからして、謎の女がその母だろうとわかってもあきさせず、話は楽しく進む。

謎の女はアメリカへ帰る前に、お母さんが私だったら、とそれとなく話すが、二人は信じない。女も、死んだことになってるんですものね、と去っていく。異国人の夫と子どもがいる写真を見て、二人はママではないと確信する。が、実はうすうすママではないかと感じていた。夢の中にでてきたこととしてパパに話すと、そのおどろきようにやっぱりママだったかもと。だが、ママはお墓の下で笑っていると思いなおし、明るくパパと歩くのだった、で幕。

ふたごのキャラがもちろん一番いい。その次はパパ、おシゲさん、ボンボンといった脇役陣。一番魅力的でないのが母、、けどこのキャラが少女フレンドのきれいな連載キャラに発展していくのだよネ。