発行:1965年7月頃 東京日の丸文庫 日の丸少女シリーズ

本村先生のかなり初期作品と思われるが、もう非常にしっかりしたきれいな絵。ストーリーもそれに合った爽やかな展開だ。

孤児院にいたナナは、謎のあしながおじさんのおかげで緑ケ丘学園の寄宿舎に入る(上流階級のおじょうさんやおぼっちゃんの高校だが、ナナが一番ゴージャスに見える、、名前まで "上条ナナ" と上流そうだし…)。演劇部のOB牧村先輩は、いつかナナを送ってくれたあこがれの王子様だった。

勉強・演劇に身を入れるナナ。文化祭で "戦争と平和" のヒロインを見事に演じ終えたあと、パパとよんでいたあしながおじさんに会えることに。パパの正体は牧村先輩だった。ナナのママを車ではねたのは牧村の父だった。その父の遺言により牧村はナナをひきとったのだった。で、めでたしめでたし。

1950年代のB6判貸本なら、孤児院出などとわかったら意地悪されてあちこち渡り歩かねばならないし、先輩との恋も描かれないネ。絵のよさもあるけど、こっちの方がリアルさを感じ、、いやいや現実はこんなにうまくはいかねーけどヨ。。