なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

広丘純

広丘純●影におわれた少女

影におわれた少女_01

影におわれた少女_02

影におわれた少女_03

影におわれた少女_04

影におわれた少女_05

発行:1965年11月頃 若木書房 びっくりシリーズ1

びっくりシリーズの1作目、けど特にびっくりしない… ていねいに描かれてはいるが、これでよくシリーズ続行されたなぁ、、「こんにちわのページ」をみると最初からシリーズ化されるようではあるが。

北川由紀の父が会社で機械に巻き込まれ事故死する。由紀は兄と妹と三人で生きていかねばならない。妹・ミコのためにデパートでマミー人形をぬすむ。それをみていた謎の男は十三日の夜十時に電話ボックスの前にくるようにいう。

由紀は約束どおりそこへ行く。男は仲間と工場へぬすみに入るのに守衛をさそい出すために由紀をよんだのだった。うまくいったかに見えたが、もうひとり守衛がいてそれは就職したばかりの由紀の兄だった。が、守衛も兄もやられてしまう。男たちが製品を盗み出している最中に停電がおこり真っ暗に。さらに停電にもかかわらず機械が動き出し、男たちは巻き込まれて死んでしまう。その機会は由紀の父が巻き込まれたもので、つぶれた会社からそこの会社がゆずりうけたものだった。

マミー人形が不思議なことをおこしそうでおこさない。謎の男は刑事といったが警察手帳を見せずあやしい。といった不思議なことへの期待をふくらましつつ読めば、もっと楽しめたかもネ。




広丘純●炎が泣く夜

炎が泣く夜_01

炎が泣く夜_02

炎が泣く夜_03

炎が泣く夜_04

炎が泣く夜_05

発行:1966年2月頃 若木書房 びっくりシリーズ2

手塚プロ(この頃だと虫プロかな)出身かと思わせられる、素直できれいな絵。それで油断して、かなり怖かったのが私でない私だった。この作品はあらかじめそういう絵柄だとわかっていたし、特にびっくりな話でもないので、さして怖くなかった。

中学校をやめ、父親の借金のかたに七光金六家の女中になった京子。謎の部屋に誰かが住んでいる。それは、金六の娘・真理だった。火事で母を亡くした真理、しかも目の前で。そのため気がくるって、火をママと思いこむようになってしまった。

京子は借用証書さえなければと家ごと燃やそうと考える。が、思いとどまった。しかしそのマッチを使って、真理が火をつけてしまう。火事の中から脱出した二人、真理は正気をとりもどし、京子も手術が成功し助かる。普通の少女をにくんでいた七光金六、京子の飲んだくれの父も改心し、めでたしめでたし。

広丘純●私でない私






発行:1966年5月頃 若木書房 びっくりシリーズ4

大変明るいきれいな絵。それが逆にまさかと思わせる効果もあってか、とにかくゾッとさせられた。「びっくりシリーズ」、ちょっとした恐怖シリーズという感じかと思いきや、いやいや恐れ入った!

美夏は友人ユミ子と映画をみて帰宅すると顔がかわっていた。(絵ではおへちゃだった鼻がちょっと高くなってる程度であまりかわりないが)おじさん・おばさんはびっくり。信じてもらえない美夏は飛び出す。見知らぬおばさんに呼びとめられ、自分の娘・宮崎晴子だと告げられる。宮崎家へ帰ろうといわれるが、両親亡き後ひきとってくれたおじの家でしあわせにしているからと断る。家へ帰ると、すきでおまえをひきとったんじゃねえ、といわれてしまいまた出ていく。すると霧の中から都合良くというか、待ちかまえていたかのようにというか、またあのおばさんがあらわれる。

ここでゾッとしてしまった。マンガを読んでゾッとするのはひさしぶり、いい作品だ。と思ったのも束の間、ラストまでもう何度もゾッとさせられる。これほどのは今までなかったことでは、、かなり子どもの頃、楳図マンガは怖いからやめようと思って以来かな。。

晴子として宮崎家に住むことになった美夏。すてきなパパとママだが、いないと思った部屋にいきなりあらわれるようなことが三度もあり、きみがわるくなり美夏は逃げ出す。ユミ子とおじさんの家に帰る途中、タクシーにひかれそうになる。映画をみた帰りに乗ったのと同じタクシーで、その運転手は五年前に晴子をひき殺したのだった。

ちょっと残念なのは、後編の目次に「死んでいた人」とあり、オチが大体わかってしまったことだネ。。

そういやこの本は、珍しく "前編・後編" に分かれているなあ。"第一部・第二部" よりも妥当だと思うけど、珍しいのヨ。

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