発行:1961年12月頃 東京漫画出版社 バンビブック
ちばてつや先生から派生したと思われる水島順先生風の絵柄。線が太く小学生の少女にピッタリだ。その他の登場人物はやたら団子っ鼻で古いけど、線は生き生きしている。これだけ達者な絵だと別名というか本来のペンネームをもって活躍されているはずだと思う。“佐久間” という姓が作中にでてくるのも、本来のペンネームではないからだと思える。う〜む、下村ひろやす先生かなあ。。“OP.I” と記してあるのは何のことだろう?
ダルマ船でくらす美佐子はトランジスターラジオがほしかった。じいちゃんは “トランジスター” を学用品と思ってすんなりOKしたが、ラジオだと知ってカンカン。勢いで美佐子の父が生きていることを話してしまう。
美佐子は毎土曜日に、父の親友だというおじさんの邸宅にあそびにいくようになる。台風がきた土曜日、船がつく場所の連絡はなく、美佐子は組合事務所へくるようにいわれる。おじさんのクルマでかけつけると、美佐子一家の船が帰ってきていないと。おじさんが小船をかりて一人であらしの海へむかえにでかける。実は美佐子の父親だったのだ。じいちゃんがケガをしたが、母と兄は無事だったもよう。美佐子たちは陸の邸宅でくらせることに。じいちゃんは昼間だけダルマ船で働けるようになり、めでたしめでたし。
【追記】
OPとは「オーパス」で、意味は「作品」、あるいは「作品番号」を表すようだ。“OP.I” は“OP.1” 、つまり “作品番号1” ということ。