私のママ_01

私のママs_02

私のママ_03

私のママs_04

私のママ_05

発行:昭和34年12月1日 東邦漫画出版社 ジュニア・ブック

沢いずみ先生というと可愛い萌え系キャラだと思っていた。顔はそうなのだが、体型がかなりスラリとしていて意外だ。主人公のゆり子は12歳、セーラー服姿は高校生くらいに見える。それに対し母親の方はずいぶんと若作りだ。。

やっとアパートへ越してきたゆり子の誕生日に母が倒れる。ゆり子はまたいじわるな姉妹のいる伯父の家へ。後半はマリという小児まひの少女があらわれ、ゆり子と友達になる。ゆり子はいじわる姉妹の妹から、入院しているのは実の母ではないことを知らされる。案の定、マリがその実の娘だった。

物語は最後の2ページで一気にまとまる。P160〜175にはしきはるみ先生の「あの人はもう来ない」という短編が収められているが、それよりも最後の2ページをふくらませて入れてほしかった。

大きなコマ割りで、ページの天地におよぶ全身像も随所に入っており、フキダシのセリフ少なめでゆっくり進行の物語。だが、大倉明先生や牧村和美先生で感じるような大ざっぱさは感じない。その2人にくらべると単調な線ではあるのだが、じっくり描かれているからかな、背景描写も巧みなので、絵でみせてくれている。
昭和34年(1959)、50年代の終わり、まだB6ハードカバー判の貸本漫画も存在していた時代に、この大ゴマ描写はかなり先鋭的だったのではなかろうか。