なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

林栄子

はやし栄子●おてんとさんみてて

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発行:1966年9月頃 若木書房 風車9 No.56 はやし栄子長編特集号より

「風車7 No.55 おばあちゃん大統領」からすると、この風車9はNo.57が正しいのではと思うが。。

はやし栄子先生といえば、まさにこのファンシーイラストタッチ! みかん型の顔に、小さな目鼻が絶妙に配置される。軽快で明るい線が心地よい。

ナツ子の家はオーちゃんはいなくて、アーちゃんとナツ子、双子の弟アキオ・マキオの四人暮らし。(オーちゃんは父ちゃん、アーちゃんは母ちゃんのこと。フキダシ中にマーちゃんと出てくるが、これはアーちゃんの誤植だろう、紛らわしいなぁ)

今年は海にいくぞと奮闘するナツ子。これが40頁も続くと、あ、こりゃ海に行けなくなる話じゃないかなとひらめく。アーちゃんが自動車にはねられて死ぬのではなかろうか?

死にはしなかったが予想はあたり、アーちゃんは交通事故で入院。ナツ子と弟は海にいけなくなった。が、アーちゃんと同室のおねえさんとなかよくなる。退院したおねえさんは、夏休み中ナツ子の家に泊まりこんで、おさんどんと家庭教師をしてくれることになった。で、めでたしめでたし。

アーちゃんの事故入院という事件はあるけど、全体的に楽しい生活マンガだネ〜!



林栄子●姉妹の花束

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発行:1962年9月頃 若木書房 ひまわりブック143

伸びのあるきれいな線だが顔が小さすぎたり腕が長すぎたりするなと思いつつも、読み進んでいくと違和感がなくなりいい感じ。

ユカは大場家三姉妹の末っ子。次女純子はバレーにうちこみ、長女ミサはミス・ユカタに選ばれる。クラスメートからユカは本当の姉妹ではないと言われるが、純子はそんなことはないとうそをつくのだった。

父親が四国に転勤することに。三姉妹は東京に残り、おばさんの家で暮らす。夏休み、純子とユカは四国徳島へ。純子はトロッコに乗ったユカを救うが、足に大けがをしてしまう。悲しみ怒る純子は、ユカに本当の妹ではないと告げる。

ユカは一人東京へ戻るが、赤の他人のめんどうをみるのはごめんだとおばさんに追いだされる。望まぬ縁談を進められていたミサは、すでにおばさんの家を出ていた。ユカは偶然純子のバレーの先生・アンナに出会い、その家で世話になることに。

一年後、ユカのバレー初舞台に母と二人の姉がやって来る。松葉ヅエなしの純子の手には小さな花たばが。で、めでたしめでたし。




林栄子●しあわせの花園

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しあわせの花園_04

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発行:1962年3月頃 若木書房 ひまわりブック118

順子の父は小さな会社の社長だった。だが、飛行機のついらくで死亡。会社はつぶれ順子一家はアパートぐらし。親切だった宮井先生は四国へ。弟のタケシが2階の手すりから落ちてけがをする。治ったタケシは四国の親類にあずかってもらうことに。兄の進は自分と順子の本当の両親は順子が生まれてすぐに死んだ事実を告げて家出する。

ママは女優に復帰するが倒れてしまう。療養のため順子も一緒に四国へひっこす。順子は宮井先生と再開。ママはまもなく死んでしまう。親類と村会議員の娘の大山に冷たくされる順子とタケシ。家出したところを兄に似た少年ハルオに出会いその家に世話になる。だがハルオとじいちゃんも大山議員から村を出て行くようしむけられる。

大山の娘・のり子が山で行方不明に。順子たちは危険をかえりみずのり子を捜索。順子がのり子を発見し、大山議員は改心し、ハルオとじいちゃんは南がわの山をつかえることに。順子はすその方をお花畑にして「しあわせの花園」と名づけるつもりだ。で、めでたしめでたし。

なんだかんだと不幸が続き、最後の最後でやっとナレーションにて「しあわせの花園」がでてくる。なら、順子かママに花作りが好きだというエピソードがほしかった。順子は宮井先生の指導で音楽の道にすすむと思ったんだがなあ。。







林栄子●心の花びら





発行:昭和33年3月15日 太平洋文庫 漫画全集 B6判 128頁

林先生は1960年代A5判貸本の時代ではイラストっぽい絵柄なのだが、これはいかにも1950年代後半の B6判らしい絵柄だ。最初と最後に出てくるメガネの案内人が林先生なのだろうか?  若木書房「風船」に代表されるポップなイラスト調の画風からすると、男ではないと思うのだが。。。

冒頭
の説明で春代が死ぬ話だとわかって読んでいく。
好きなバイオリンもやらせてもらえず、まま母につらく当たられ ていた春代はがまんできず、兄の進のもとへ。そのサーカスでは竜次が進を ねたんで悪だくみを 。それを知った春代が犠牲になって死ぬのかと思ったがそうではなかった。まずは春代の忠告で助かるが、進は小屋の丸太を落とされけがをする。竜次はサーカスを去る。サーカスは徳島へ。そこで火事が起きて、春代は兄を救おうとして死んでしまう。わかってはいたけど、どうにも救われない話だ。。



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