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発行:若木書房 定価150円

章が細かく別れていて何かに連載されたもののようだ。調べると同じ若木書房の「こだま」だった。正式名は「すずかけの路」でトビラや本編ではちゃんと「路」となっているので、表紙だけが間違っているようだ。

じゅん子はおじいさんの屋台そばやを手伝ってくらしていた。おじいさんがリュウマチで苦しんだところを、あるおばさんが助けてくれた。おじいさんは仕事ができなくなり、じゅん子をおばさんに託して身をかくす。おばさんの家でくらしていたじゅん子のもとへおじいさんから手紙の差し入れが。飛び出したじゅん子を追ったおばさんはクルマにはねられて死亡。夫であるおじさんは仕事がうまくいかなくなり、じゅん子を寄宿舎つきの学校あずけ、外国へ行ってがんばることに。寄宿舎では屋台そばやをやっていたことでいじわるされるが、さらにおじさんが急病で死亡し、じゅん子は寄宿舎の女中となる。しかし、いじめっ子ともめて追い出される。

行くあてなく浜辺で倒れ
たじゅん子は画家に救われ、その家においてもらえることになる。そこに続く並木路が「すずかけの路」とよばれていた。じゅん子をモデルにした絵が金持ちの綾小路の目にとまる。綾小路の誕生日に招待されたじゅん子は下町の家賃を待つように綾小路を説得し、2人は下町へ行き感謝される。そこでじゅん子はおじいさんと再会する。おじいさんの証言で綾小路がじゅん子の実の祖父であると判明。じゅん子は3人いっしょに住もうと提言する。最終手前のページが脱落しているが、受け入れられたようで、めでたしめでたし。じゅん子を娘にしようと思っていた画家は身を引き外国へと旅立った。

この頃のわたなべ先生の絵は団子鼻でとっつきにくかったが、152頁もの波乱万丈な物語につきあうと、さすがに味があると思えてきた。