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発行:ひばり書房 定価130円 ひばりの漫画全集371 B6判 128頁

絵はどうしても1950年代のものだが、線がきれいで構図も気持ちいい。何か下敷きになる小説がありそうな、なかなか凝った話。

ユカリ湖は「魔の湖」ともよばれ、宮本マユ子の姉と母は呼びこまれるように身を投げて死んだ。

父はそのいきさつをマユ子に話す。元陸軍少将近見豪太は息子がアメリカの捕虜になったことを憤慨して北海道クシロの山奥に娘・孫娘と引越してきた。木こりをいやしいとさげすんでいたが、世話になった宮本には恩義を感じ娘を嫁にやる。宮本と近見の娘にできた子どもがマユ子だった。姉のクミ子は赤ん坊のマユ子ともろくに会わせてもらえないことに落胆して身投げする。近見の息子がアメリカより戻って、近見は娘であるマユ子の母と東京へ帰ることに。しかし、母はユカリ湖に身投げしてしまう。

父がマユ子や東京からの調査団をユカリ湖から遠ざけていたのは、鱒を養殖していたからだった。だが、調査団に魚を育てるのにむかないと告げられ、湖に身を投げる。すかさずマユ子が助けに飛び込んだが、、マユ子と父を救ったのは死んだはずの母だった。東京へ帰るとき、身投げしたように偽装されていたのだ。近見豪太が死んだので、4年ぶりに母は戻ってこれた。マユ子と父は助かったが、母は死んでしまう。調査団はここは観光地にはむかないと報告することに。マユ子と父は山を追われずしあわせに暮らしていけそうだ。で幕。

借金を返すための虹鱒の養殖はダメになったが、観光地計画もダメになったので、従来通り気長に返済すればよいことになったもよう。母の死は残念だが、湖の謎はとけてまあまあめでたしな結末といえようか。これでマユ子がしあわせになれるとは思えないんだが。。