なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

山田節子

山田節子●春のあしおと






発行:1963年4月頃 若木書房 若草文庫19

若草文庫らしく若草色の枠で囲まれた表紙、でも若草文庫って枠なしではなかったかな。この新年度から枠付きになったのだろうか?

山田先生が劇画集団に入られて2ヶ月目の作品。さいとうプロの画風になる直前、それまでの山田画風の完成形と思える、非常にきれいな絵だ。

中学受験がテーマ。クラスのほとんどは区立のA中へ進学するなか、優子と和田さんはS女子学園、村上くんはK大附属中学を受験することに。優子はわがままで強情っぱりな和田さんには負けたくなかった。

和田さんは、先生が優子をひいきしていると憤慨する。たしかに用事を言いつかるし、いろいろ親切にしれくると優子は思う。優子は無記名で投書箱に「ひいきをしないで下さい」と投書する。みんなは和田さんが投書したのだと思う。優子は先生に自分が投書したことを告白に行く。先生はひいきしたつもりはないけど気をつけると。

受験は優子も和田さんも合格するのではと思っていたのだが。。

かぜで体をこわした優子は試験前に寝込んでしまう。何とか試験は受けるが、落ちてしまった。和田さんと村上くんは合格。優子は和田さんからの手紙を受けとる。それには先生から投書のことをきいて、優子を誤解していたと。さらにコネで合格したことも書いてあった。

和田さんを見つけた優子は「こんなこともう気にしないで忘れちゃいましょうね 手紙やぶいちゃってもいいでしょーっ」と。和田さんは涙を流しよろこぶ、で幕。





山田節子●ドラネコ狩り

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発行:1964年10月頃 若木書房 ゆめNo.58より 野菊荘のひとびとシリーズ第9話

キレのいい線が冴えている。シリーズもので第9話、かなりこなれてきているのだろう。

朝太郎は、チサがネコに自分と同じ「朝太郎」と命名したのに憤慨。親分のナナ子に相談する。ナナ子はそのネコをつかまえて遠くへすてようと。だがことごとくうまくいかなかった。チサは、ネコをくれたおばさんから、そのネコはメスだから女の子の名まえに変えるように言われる。朝太郎は安心したが、今度はネコの名まえを「チサ」にするか「ナナ」にするかでもめはじめる、で幕。

ナナ子はいいキャラなんだけど、ネコをいじめるとはけしからんナ〜! まあ、強いネコだからよかったけどサ。。




山田節子●Qくんへアコより

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発行:1966年4月頃 さいとうプロ

今回のお話しはラブコメ。

大学生下宿でお手伝いさんを始めたアコ。キュー君とお互い好意をもつのだが、誤解などありやっと仲良くなれた。
しかし、キュー君は病気になった父のあとを継ぐため田舎へ帰るか悩む。そうとは知らないアコは、自分のせいかと悩む。。。

最後はすれ違いで別れるが、キュー君はアコの家庭教師の弟だったので、また会えるだろう。
アコシリーズの8巻の予告にキュー君再登場とある、、けどこれってちゃんと発行されたのかな??

今回は、キュー君がすてネコをひろってくるエピソードが描かれる。
山田先生は、現在ネコマンガ家のセツコ・山田として活躍されておられる、その発端といえるシーンなのかな。



山田節子●ラーメンいっちょ!

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発行:昭和40年11月頃 さいとうプロ

アコ行状記シリーズの1巻目。
このシリーズで一番ほしかった本、、、なら今のラーメンマンガを買い求める方がずっとためになりそう、だとわかってはいても。。。

お手伝いさんをしながら、旅して母を探す設定なのだが、1巻目だというのにちと例外で、お手伝いさんじゃなくて住みこみのラーメン屋従業員。
ラーメン屋というか中華屋で、庶民的ながらかなり大きな店。厨房に大将含め男3人、接客・出前に女4人もいる。

女従業員仲間のそれぞれの個性が際立っており面白い。東北弁丸出しでおつむがちと弱いけど、モテる栄子。ケチな性格と思われたが、実は田舎に仕送りをしていた敏子。強烈なデコメガネで小説家志望のしん子。

大きな事件は、売り上げの1万円が足らない犯人探し。母親の手術代に1万円必要な敏子。1万円以上お金を持ってたアコ。しょうちゅう金をせびりに来るドラ息子。と、疑わしい人物がうかびあがる。
実は、犯人は大将でへそくりのためにとったのだった。

アコが寝言で「ママ」というのを聞いて、しん子は育ちのいい子だときづくけど、アコは母親を知らずに育ったはずなのだが???



山田節子●おじょうさんとおじょうさん

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発行:1966年3月頃 さいとうプロ

アコ行状記はこれがNO.3となっているが、それ以前にゴリラマガジンに掲載された分があるようだ。

アコおじょうさんと、もうひとりのおじょうさんは今回お手伝いに行く家の真紀さん。父が死んだ真紀は、ただ一人の伯母をたよってこの家にやってきたので、あまりおじょうさんっぽくはない。

伯母の反対を押し切って踊り子になる真紀が描かれる。山田先生もバレエをやっていたと巻末のコーナーで述べられているが、バレエのシーンは少ない。この作品ではモダンバレエだからかな。。



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