発行:1998年4月25日再版 二見書房 カルト・スリラー劇場 地獄で笑ふ男 より
初出:兎月書房 眠る霧
唐沢俊一先生が編集した貸本短編マンガ集の中の一編。『独特の暗さをもったファンタジー作品』と述べられているが、それほど大げさなものではなくちょっと怪奇要素のある普通の劇画だと思う。(あ、もちろんこの本で一番良かったからとりあげたのだ)
死神らしい地獄の使者との約束で、千人殺さなければならなくなった赤太郎。影を使ってやらせるくだりで人殺しが好きになったりして、何だかつじつまが合わなくなる。
赤太郎は、父に実体を撃たれ死んでしまう。なら最後に死神を登場させたくなるが、そんなことはない。逆に、潔くてイキだと感じた。
主人公の赤太郎と死神の足が、非常に長い。特に赤太郎は横長の扁平顔と妙にアンバランスなのが面白い。