発行:1962年11月12日 東京漫画出版社 バンビ・ブック
みきそのこ先生といえば、青春もの。いわゆる劇画と違い、スタイル画をラフにしたようなリアルイラストタッチだが、この作品はそれ以前のオーソドックスな少女ものだろう、なめらかさのある線だ。主人公の香弥は、木内千鶴子先生風の顔。それが八頭身以上となり、どうにもアンバランス、、けど話にはひきこまれた。
こんぶとりで生活している香弥の家は貧しかった。一家は仕事を探しにどこかへ。香弥は、誘われていた東京のおじの家に強制的に行かされる。が、ちょうどおじはおしょくでつかまったところだった。行くところも帰るところもなくなった香弥。さらわれそうなところを真由美という少女に助けられる。バーへ連れていかれたので、だまされるのかと思ったが、そうではなく、真由美の母親のバーで上の階は住まいであった。
真由美は別に家をもっていて、香弥はそこで世話になる。母はパリに歌の勉強に行く金とひきかえに、真由美を資産家の父(真由美の祖父)にあたえたのだった。母がバーのマダムをやっていると知った真由美は、普通のくらしがしてみたいと祖父を説得して、十二才までの1年間住む家を買ってもらったのだ。
十二才の誕生日、真由美は祖父の家に帰るしたく中。香弥には、母と兄妹が心中したとの電話が、、ああ、すごくおもしろい展開になってきた〜 ひとの不幸は蜜の味っすねぇ
警察立会いのもと、遺体を確認するという、なんとも珍しいシーンに続く。兄は助かっていた。が、香弥が目をはなした隙に病院から姿を消す。で、第一部終了。
第二部はp100から始まる。香弥は真由美の屋敷に世話になっていた。真由美が誘拐される。香弥は、真由美の母と捜索する。殺される寸前で真由美は救出される。真由美を助けようとしていた兄とめぐりあえた。貧乏でもよいからと、香弥は兄と2人で生活を始めることになり、めでたしめでたし。ついでに真由美も母と暮らせるように、とはならなかったが。