発行:1968年2月頃 ひばり書房
真っ黒な月から、真っ黒な馬に乗った黒い野郎があらわれた。彼は何百兆円にもなるデッカイ仕事をやろうと、若い仲間をあつめる。殺人パンチをもつボクサー、哀れな受験生、造船会社の臨時工、小笠原の小島にひっこもうとしていた者、これらなかなかの悪だった4人が集められた。
デッカイ仕事とは、太平洋の銅鉱石の採取だ。小船を盗んで出かけ、黒い野郎が沈没していた貨物船を引き上げ、造船技師が修理する。採取網を風にのせ、どんどん取る。
まずは、千トンの銅鉱が1千万円になった。後はおめえ達だけでガッポリ稼げと、言いのこして黒い野郎は去っていった。
特に障害もなく、計画がうまくいってオシマイ。なかなかの爽快感がある話。
あとがきで、「青年の華」という短編集で登場した黒い男を主人公にした、と書かれている。そのせいか、大きなコマ割りとストレートな進行で、1冊まるごとが短編にも感じるわけだ。
それまでの怪談ものと違って、粗野な感じの内容で、読者を面食らわせようとしたとのこと。
気に入られたキャラのようで、次作もこの黒い男を主人公にするのでと、名前を募集されている。
次作は「勇者巨魂」、ものすごい性能のオートバイを造り出し、世界を股に売って売って売りまくる黒い野郎の荒商売、とある。
黒い野郎の正体は、タカラのダッコちゃんが成長した姿ではないかと、ひらめいた。けど、次回作で名前は付いても彼が何者かについては、語られることはないだろう。。