発行:1963年6月頃 若木書房 こだま 別冊 No.14より
丘ゆうこ先生の作品は、くせのない素直な絵とストーリーでなかなかよかったのだが、古谷作品のほうが、予想外の展開があり、短編ながらおもしろかった。
この頃の古谷先生は、ちばてつや先生風の画風だが、すでに古谷先生らしい絵柄も時々感じられる。
純子と二郎の母がたおれる。貧乏そうな家だし、ああ死ぬんだな、と思いきや、妊娠したのだった。姉弟は、少ないおこづかいから、おみまいを贈ろうと考える。夏みかんをほしがる母親。「道はとおけれど」というタイトルから、交通費を節約して、歩いて夏みかんを買いに行くのだ、と思った。が、次のページでもう八百屋が出てきて、買物する姉弟が。けど、「ないね」と断られ、あとは予想通りの展開。新市街の高級くだもの店を紹介され、姉弟はあるいていく。足らなかったが、高野フルーツ店の主人にサービスしてもらえて、めでたしめでたし。