なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

福島史朗

福島史朗●川岸の兄妹

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発行:1966年2月頃 若木書房

書き下ろしだと思うけど、4段組みになっているのはどういうことだろうか? コマを細かくしてその分作者が多くを表現したかったと考えるのが妥当か。

川岸の下町に住む、武と由美の兄妹それぞれの話。由美はのら犬を飼ってくれる人を探すあれこれ。武は技師になるのをやめ、レストラン経営を目指す。

だまされていた武の目をさますため、運転手の高水に袋詰めにされたワン公。由美のにおいをかぎながらもどってくるよ、と人々が去ったあと、あらぬ方向へさまよっていく犬が印象的な幕切れ。

ちばてつや先生風の明るい絵柄ながら、話にちょっと暗さというか、深刻な重みがあるのが福島先生の味だと思う。




福島史朗●バス停留所物語

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発行:1965年11月頃 若木書房

山村のバス停留所そばにある、売店をかねた食堂で働くれい子。母は、ここにれい子をあずけて仕事を探しにいったきり。店が危うい食堂のおばさんは、れい子をじゃまに感じる。仕事を探してさまよっているらしいデブと片目。ひがみから食堂で飲んだくれる、食品問屋の安三。

「きょうだいシリーズ」ということでさまざまなきょうだいが登場する。この話では実の姉弟ではなく、食堂の息子、てつがれい子を慕うことからで、ちょっと強引な設定。。

ひがんでいた安三を店の娘がむかえに来る。デブと片目も食品問屋を紹介される。結局、食堂は存続していけそうになる。しかし、れい子の母は現れず、おそらく親戚の家にひきとられていったであろうと思わせるさみしいラスト。

かなりちばてつや先生風な絵。しかし、達者なのであきさせない。タイトルから予想できた、限定された場所でがんばるというシチュエーション、その通りで大変満足できた。

P129から最後のP136までは、紙質が変わっており黄ばみが激しい。講談社KCのような酸素ヤケしやすい紙のようだ。これと比べると、それまでの白画用紙がよく見える(粗悪な画用紙で、砂や鉄まで混ざっていたりするのだけれど)。。



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