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発行:東宝漫画出版社 定價八十圓 B6判

深井国春先生は「深井国」先生のことだと思う。貸本漫画時代は、深井日郎・深井ヒローといったペンネームだったようだが、この作品はもっと前、貸本というより赤本に属する体裁だ。

深井先生のマンガをよむのは、これがはじめてとなる。虫プロの「哀しみのベラドンナ」を手がけたことで有名。ほとんど動きのないアニメで、「アニメロマネスク」などと称される。その割には、アニメ好きにファンが多くて、自分もセル画や原画を買い求めたりしたもんだ。

話は童話世界の騎士物。騎士アンドレーがさらわれたお姫さまを救いに行く。その道中の色々が長く、ギロルの国に行って魔王と戦うシーンは短い。不死身の魔王なのに、金の鳩に妖術をとかれ、あっけなく倒されてしまう。魔王にはもう少しがんばってほしかった。

ベラドンナとか、その後のイラスト作品に通じる画風を感じることは難しいが、達者な絵でストーリー運びにもなかなかひきこまれる。でも、さすがに時代が古いのと、こんなジャンルは、感情移入しにくいなあ。。