西たけろう

西たけろう●吸血蛾人

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発行:昭和53年1月10日 立風書房 レモンコミックス〈恐怖シリーズ〉 新書版 255頁

鏡子の兄、健太郎は、人間を原子に分解して電波にのせ、瞬間的に遠くへ運ぶ研究をしていた。分解器にまぎれこんだ猫と蛾は、健太郎の体とまざってしまい、研究は失敗。健太郎は自殺。もう一体、頭部が人間の胎児に似ている蛾が再生されていた。健太郎の妻、夕子はその赤ン坊を育てる。

赤ン坊は、鏡子のクラスメート、伸子を殺してしまう。夕子は病院に収容されるが、赤ン坊の世話を人にたのんでいた。成長した赤ン坊は、自分が健太郎と蛾のまざった存在だと知る。完全な人間の姿になろうと、鏡子たちを実験に使おうとするが、蛾の大群に襲われ死んでいく。

SF得意な西先生らしく、設定はそうなのだが、もう内容は完全な恐怖ものになっている。ページ数が多いのでキャラもよく描かれており、蛾人の赤ン坊がなかなか魅力的! この子は、先生もお気に入りとのことだ。でも主人公ら女の子が可愛くない、、話にマッチした画風とは思えるので、仕方ないか。。



西たけろう●少女狂死曲

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発行:東京漫画出版社 定価220円 スリラー劇場

西たけろう先生については何も知らなかったのだが、巻末にいくつか資料がある。西武三郎(改め西たけろう)なのだそうだ。でも、西武三郎先生も知らないな。。「S.Fの西たけろう、東漫の西たけろう」とある。なるほど、SFがそもそも得意な方なのだ。「東漫」は、東京漫画出版社のことで、まあこれは。。「安土城跡にてー」と、写真がのっている。妹さんや教授と一緒に、、何の集まりなのだろう?不鮮明なモノクロ写真だが、ご本人は柔和そうな好青年といった印象。

少女以外は弾けないという伝説の火の島の楽譜を天才少女音楽家たちが演奏するという話。例によって、いかにもな恐怖もののようにじっくり話はすすんでいく。演奏するとあらわれる化物など、幻想以外にありえないと思ったのが、p108にきてビックリのSFオチ! 死神少女同様、気持ちいいパターンである。

絵は、当時の青春劇画調であまり好きでないのだが、いやいやこのストーリーにマッチした画風ではある。

しかし、タイトルに「少女」とあるなら、ターゲットは中学上級〜二十歳前くらいの少女たちだろう。こんなSFが、受け入れられたのだろうか!?(巻末読者コーナーには、15才くらいの少女たちのおたよりがあり “西先生の作品はストーリーが良い” と、のべられてはおりますが。。)

【追記】
なんと、西先生はブログをやっておられる!
↓Yahoo!ブログ、マンガ家仲間とのお写真が拝見できる
西たけろうのブログ
↓さらに、かなりの作品が掲載されていてうれしい!
西たけろうの怪奇漫画劇場



西たけろう●死神少女

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発行:東京トップ社 定価220円 少女ミステリー2

冒頭、空家の屋敷に恐竜のような生き物が。。犬にしては前足が鋭すぎる。その付近で少年が行方不明になったり、謎の少女が引っ越してきて、セツ子のクラスに転入したりと、よくありそうな恐怖もののパターン。

話はじっくり描かれていくので、恐竜などは幻想というパターンかと思ったら、p90にきてまさかのSFオチ! で、見事に解き明かされる。

死神少女の「死神」というのは、死刑囚からみた執行人のことで、これをタイトルにするとは!

迫力あるコマは楳図先生風だが、全体は当時の青春マンガと劇画をあわせた感じで、あまりいただけない。。けど、ストーリーにはびっくりさせられた。するともう、すごくいい作品だということだ。



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