なツマグ

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鳥海やすと

とりうみやすと●かわいいにくまれっこ

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発行:1964年9月頃 若木書房 風船10 No.1より

風船は若木書房の雑誌形式貸本で、草ぶえのあとを受けて創刊された。草ぶえが時代劇だったのに対し、風船はユーモアマンガのシリーズとなる。鳥海先生の絵は今村洋子先生風な頃で、風船のユーモア調にマッチしているネ。

ミッコと姉はター坊を連れて、小石川のおじさんのうちにおつかいに行くことに。ター坊を外に待たせたまま、おばさんから後楽園球場の入場券をもらえるまで居座る。ター坊が行方不明になったが、公園で発見。今度はもらったはずの入場券がない。疑われたター坊はにげる。

おばさんが入場券を忘れていったでしょと、もってきてくれた。二人はター坊を探す。また公園へ戻ってくると、ター坊は管理人のような人におんぶされてきた。園内でなにかさがしものをして、つかれてねちまったと。二人はター坊にあやまり、野球はもうみなくたっていいと、入場券を破る。で、幕。







みなみかつみ●そよかぜさん

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発行:1965年4月頃 若木書房 風船No.7 より

表紙では “鳥海やすと” と記してあるが、目次とトビラでは “みなみかつみ” だ。たぶん表紙→4色ページ→1色ページの順で入稿しなければならないはずで、表紙入稿後にペンネームを変更されたのだろうか。絵柄から別人ではないことは明らかだ。(ちなみに表紙2番目のクドーシゲオ先生、中身はオオトモヨシヤス先生に差し代わっていてこちらは別人だ)

写真屋のたっちんと、モモ子のたくらみで、松木くんと一緒に写った写真を五百円で買わされたけい子。しかし、まんざらでもなかった。その写真を弟が松木くんにあげてしまう。翌日、登校途中で松木くんに会ってやつあたりしてしまい、帰って学校を休む。松木くんがたっちんとモモ子をともなっておみまいに来る。松木くんの指示でたっちんは五百円を返し、写真をやぶる。けい子は、なにもやぶかなくてもよかったのに、と思うのであった。

他愛ない話だが、強弱のある線と独特なテンションのポーズがいい。

鳥海やすと●ミサイル娘

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発行:1965年10月頃 若木書房 明朗まんがシリーズ5

潮風さんとだれかさんと同じ、明朗まんがシリーズ5。。こちらが後なのでシリーズ6とするのが正しいはずだが、6はそっくりさんで使われている。。かなり適当な番号付けだったようだ。ま、続き物でなく1巻完結型なので、特に問題ないけど。。

ガッチリやのミサ子、その性格を変えていく話になると思ったが、そういうこともなく進む楽しい生活もの。誕生日プレゼントにもらったブローチの差出人「H」を探すのがメイン。ひで君でも、羽瀬君でも、日暮先生でもなく、結局パパだったという話。ひで君側からも描かれたり、八つ当たりされるお地蔵さんが描かれたりと、周辺描写が効いている。




鳥海やすと●潮風さんとだれかさん

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発行:1965年7月頃 若木書房 明朗まんがシリーズ5

トビラでは「潮風とだれかさん」となっている。こちらが本来のタイトルだろう。

とも子の父が建てた貸別荘に来た明彦だが、とも子とはうまくいかない。明彦はとも子の弟、カッちゃんに泳ぎを教わっていた。それを知らないとも子は、溺れた人を助けるため飛び込ませてしまい、明彦は重病となる。とも子は悩んでさまよい、谷川で気をうしなう。最後はとも子も明彦も回復してめでたしめでたし。

サングラスをかけてミステリアスに登場する明彦のくだりと、溺れさせた事を悩むとも子のくだりがちょっと長い。それより夏休みの楽しさを出してほしかったな。




鳥海やすと●すすめ! 天才おさげ

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発行:1965年8月頃 若木書房 明朗まんがシリーズ3

背表紙には、明朗まんがシリーズ6とあるが、巻末広告では明朗シリーズ3となっている。次回予告が「ぜんざいトリオ」なので、3が正しいと思う、、が、3はこんち日本晴れというのがすでにあるのだが。。何かのミスだろうし、続きものではないので、特に問題ない。けど、こんち日本晴れから9か月後の作品となり、線が太くなって、ハイカラさがなくなってるのがちょっと残念。

うるし職人の娘、さえ子。父は腕のいい職人だが仕事がない。

友人といちぢくをぬすんでいて逃げおくれる。つかまったが、その家のおじいさんに認められる。おじいさんは、父の腕も認め、飲みくらべをして父に酒をやめさせる。(それで死んでしまうのだが)

自信のなかったさえ子は、図工展の最優秀賞をとり、だんだん認められていく。父には、小さな旅館から仕事が入る。一家に明るい希望がみえてきた、といった内容。

この作品では、さえ子は一人っ子だ。鳥海作品ではたいがい弟がいて、にぎやかし、テンポののいい会話をしてくれるのだが、そのかわりを父親が演じている。これはこれで、充分面白い。


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