なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

谷悠紀子

谷悠紀子●風が運んだ幸福






発行:昭和37年頃 東京金園社 虹 No.36より

学校からの帰り道、謎の男から孤児院の子・有沙にあづけられたものは麻薬だった。警察も警戒してくれるものの、帰り道はこわい。

まりの家で歌のレッスンを終え帰るとき、有沙はまりのパパと出あう。まりのパパこそ、麻薬をあづけた謎の男だった。他人の空似かもと思いつつ、自動車で送ってもらう有沙。まりのパパは有沙をしまつしなければと思いつつ、若草学園に着いてしまう。有沙はほっとする。

昔なじみのおばさんと出会ったまりのパパは、そのたばこ屋にて、まりと有沙が出る、のど自慢のテレビを観せてもらう。おばさんは、有沙ちゃんもあんたはんのこどもさんだとつげる。衝撃の事実を知ったパパは改心。

有沙のもとへパパから手紙が届く。警察へ自首すると。なぜか…刑務所から出てきたらおはなししましょう、と。まりと異母姉妹であることを知らない有沙は、まりちゃんをなぐさめてあげなくちゃと、そっとつぶやく。で、幕。

う〜む! 谷先生、この線の切れ味は絶品だなァ。話も意外性があっていい。まりと有沙が姉妹とわかり、ページが足りなくなりそうな方向へいくかと思いきや、パパが改心し、スッキリまとまる。




谷・高橋●年賀ハガキ

年賀谷5桁
谷ゆき子先生かな?

年賀高橋5桁
高橋真琴先生かな?

宛名面の郵便番号は5桁、それほど古くはないがさほど新しくもない時代のハガキ。




谷悠紀子●あこがれと悲しみと

あこがれと悲しみと_01

あこがれと悲しみと_02

あこがれと悲しみと_03

あこがれと悲しみと_04

あこがれと悲しみと_05

発行:昭和37年8月頃 金園社 虹 No.32 より

虹 No.32、“スマートでたのしい日本一の少女誌” というわりには、かなり深刻な内容の作品ばかり。絵がまだ稚拙な小酒井ひさ先生の「雨……」にしても、青果問屋の事務員をしながら17才で描き上げた作品と思って読むと感動できる。

さて、この「あこがれと悲しみと」は続き物の後編。前編(+後編も)は、こちらで記事にしてくれている。はしけに育った那智子が叔母の家から黒百合女学院に通い、水泳大会で一着に。

全国大会では那智子が前にいっていた水上中学の生徒が出ると。それでは那智子がはしけの子だとバレてしまうので、叔母は参加を禁止する。が、当日父母が応援に来ているのを知り、那智子は出場。見事一着になるが、世界大会への出場はキケンしようと父母のもとへ帰っていくのだった。で、幕。

はしけの子だとバレてのてんやわんやは描かれない。。それはもう、那智子にとってはどうでもいいことだからかな。



谷悠紀子●黒いキャンパス

黒いキャンパス_01

黒いキャンパス_02

黒いキャンパス_03

黒いキャンパス_04

黒いキャンパス_05

発行:金竜出版社 定価150円 谷悠紀子作品集 「明日への幸福」より

金園社になる前の金竜出版社時代、谷先生の作品集。元の掲載誌がわからないが、「虹」とか「真珠」とかかな。5編収められているが、落丁だらけで完全に読めるのは2編だけ。。そのうちの1つ、「黒いキャンパス」をとりあげた。

画家の娘、マユミが筆をとらなくなった秘密をあかす。研究所に入ってきた、びっこのクララの才能に嫉妬して彼女の絵をナイフでずたずたに切ったのだった。その絵でも自分の魂がこもっているので部屋にかざろうと、キャンパスを持って出たクララは自動車にはねられて死ぬ。クララさんを殺したのは私なんだわ、とマユミは一生絵を描かないと誓ったのだった。「クララさんはまだ私を許しては下さらないでしょうか」で、おわり。

谷先生らしいこってりな絵柄が完成していく途中の作品群の中で、この作品はかなりの完成度。後の学年誌では描かれないだろう、悪い子が主人公なのもいい。




谷・岸田・高橋●年賀ハガキ

谷ゆき子先生かな?

岸田はるみ先生かも?

高橋真琴先生でしょう?



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