発行:1962年頃 若木書房
時代物は好きではござらぬが、竹本先生にしては悲壮感のない明るい話。この調子の現代ものがあるとよかろうに。。
雪姫一行が浜松の宿にとまったとき、将軍さまにけん上する利休の香炉を黒猫銀次にぬすまれる。目明しのお京とともに銀次をつかまえに行くはずだった雪姫は、約束の場所に遅れてしまう。親切なおばさんとともに江戸黒門町まで旅をすることに。
途中でおばさんは別れると告げ、大切な茶碗を江戸の近江屋へもっていくよう 雪姫にたくす。同じ宿にいた銀次はお京につかまる。銀次は無実を訴え、逃げ出す。雪姫はあとを追い、銀次とともに江戸へ。近江屋ではおばさんと出会えなかったが、銀次は自分のにせものをみつけた。
銀次はにせものに指示をしたという大名屋敷へしのびこんで事実をつかんだ。雪姫の父であるうぐいす城の殿さまをひどくにくんでいた大名・黒川は腰元の里という女に利休の香炉をぬすむ役目をいいつけた。里は道中でしりあったニセモノ銀次をつかって香炉をぬすみださせたのだった。
里は江戸へ雪姫がこないので浜松へ旅だっていた。雪姫たちも浜松へ。里(親切なおばさん)をつかまえて、事件は解決。最後ふたたび江戸へ向う旅では、あらたにめしかかえられたお里が笑顔をふりまきながら行列にしたがっていた。
巻頭カラーが16頁、全体は144頁もある大長編でござる。3段組みのコマ割りだが大ゴマは少なめ。かなりの物語が詰め込めるわけでござるなあ。絵も非常にいい、おてんばお姫様ものでござった。