武田京子

武田京子●涙のキャンプ






発行:1960年9月頃 若木書房 泉9 No.28より

この本では、鳥海やすと先生の「カゲロー少女 ヘヤーピンの巻」がミステリー調で一番気になったのだが、ラスト数ページが落丁しており、後半がわからない。。
(『落丁』とは本来製本用語だが、最近では発行後、読者によって切り取られたりしてページが丸ごと欠けてしまったこともいうようだ。昔は奥付に『落丁・乱丁はお取りかえいたします』と入っていたが、これは製本時のミスのことで、読者が破ったページまで保証してくれるものではなかったはず。。でもまあ今は『切取り・破れ・脱落』よりも簡潔でわかりやすいから、私も『落丁』と表現する。)

絵は、森幸子先生の「友情のリボン」が妙に整っていてきれいでよかった。(森先生は、 "森由岐子"先生だろうか?)
しかし、今回はダイナミックな線が大変よかった、武田京子先生をとりあげる。

女子校に転校してきた江見さよ子は、ひとりぼっちでいる洲本さんが気になる。彼女は母親がバーにつとめていて、父親の顔も知らない不良といわれていた。なんとか仲よくなりかけ、さよ子が病気で学校を休んだ日。キャンプのグループわけのとき、洲本さんは皆からいやがられる。とびだした洲本さんは、みさ子に会いにいったが、母親がみさ子に洲本さんの悪い評判を話していたのを聞いて去る。雨の公園でたおれた洲本さんは肺炎になってしまい、みさ子にひと目会って死んでしまう。たった二行『私にもやっとお友達ができたわ……私にも……』と書かれた洲本さんの日記をもって、みさ子はキャンプに行ったのだった。




武田京子●ちぎれ雲

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発行:1963年10月頃 若木書房 泉 No.65より

里子の母は、部長からプロポーズされていた。もちろん里子は、反対。部長の娘、ミチも結婚には反対だ。

相手側の子どもが出てきて、お互い反対というのは、ちょっと新鮮さを感じた。

ミチが五万円をだましとられないように、ケガをしてまで、里子はかばんを渡さなかった。病院で2人は、おたがい姉妹になるような気がした、で幕。



武田京子●真昼のなみだ

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発行:1963年2月頃 若木書房 泉 No.57より

この作品の絵は、牧美也子、松尾美保子、それに、むれあきこ先生の影響があるように思える。あ、松尾美保子先生とはほぼ同期だから違うかな。明るい絵で、ママの再婚相手をみとめようという、あたたかい内容、花村先生のとは対極な感じ。。

バレエの先生は、直の母が再婚できるよう、直をひきとろうと提案する。孤児だった直は母に恩返ししたいが、養女にいくのも、母の再婚にも、反対だ。事故で入院した母が退院したところへきた再婚相手の戸田とはじめて話す直。結局いい人だとわかり、再婚に賛成し、三人で住む日がきっとくる、と確信するのだった。



武田京子●1969年賀状

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発行:昭和44年1月1日 小学館 少女コミック1月号より

この年賀状集のなかでは、すごくまともできれいな先生。なのが、非常に目立つのだった。




武田京子●ある日みずうみで

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発行:1961年12月頃 若木書房

泉1961年12月号に掲載された作品。表紙カバーがない。。。表紙なんて中のマンガとは関係ない人が描いているのでどうでもよさそうだが、4色分解のちゃんとしたカラーは表紙だけなので、ないと彩りに欠けるなあ。。

やす子の弟ひろしは、ふろうじだったあいの子。母が亡くなりおじの家にひきとられる。やす子が金持ちの養女になるのにじゃまと悟ったひろしは湖へ。。。でも、やす子は養女へはいかず湖のそばで暮らすことを誓う。

短いながらも、しっかりまとまった悲しい話。。あいの子のほうがカッコイイ今の時代を、やす子おばあさんはどう思って見ているのだろうか。



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