しきはるみ

しきはるみ●継母のねがい

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発行:1961年頃 東邦漫画出版社 しらかばブックNo.19

赤塚調のキャラが登場してくる以前のしき先生の作品。この頃の絵もいい! 主人公はありきたりの良い子だけど。

この「継母のねがい」はしらかばブック2「継母」の続篇、とある。しらかばブック“No.19” なのに間があきすぎのように思うが。。一応巻頭に前回のあらすじっぽいくだりはある。さらに、しき先生の継母シリーズは毎月一冊ずつ発売と。続篇といってもシリーズのことで、1巻完結形式なのかも。。

会社がつぶれびんぼうになった夫にあいそをつかし、明美の母はでていった。ちいさな明美をかわいそうに思い、となりのおばさんが継母になった。そして本編が始まる。

明美の父はやっと工面した金をどろぼうに取られ、追いかけたところを自動車にはねられて入院。明美は人さらいにさらわれ、花売りをさせられる。実の母が明美をみつけ、人さらいからさらう。だが、明美は実の母になつかず、急性盲腸炎になってしまう。入院した病院に父も入院しており、継母にめぐりあえてめでたしめでたし。去っていく実の母を
、最後に一度だけ「おかあさん」と呼ぶ。




しきはるみ●あまったれと無責任っ子

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発行:東京漫画出版社 定価200円 明朗少女シリーズ

「あまったれと無責任っ子」というタイトル先行での進行だろうけど。。後からタイトルをつけるなら、アメリカ人の義妹ができることか、家出をにおわせるタイトルにすべきだろう。

内容は、何だか楽しい家出マンガだ。スキ子は新しいアメリカ人のママと気が合わない。丸井さんは成績が悪く悩んでいた(といっても5がふたつにあと全部4)。2人は家出することにし、義妹のキャロンもさそう。で、道中で心が整理されて帰ることになり、めでたしめでたし。

丸井さんのギャグ顔をもう少しマシにしてほしかった。。



しきはるみ●逢いたかった人

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発行:1963年6月20日 東京漫画出版社 しきはるみシリーズ1

しきはるみ先生といえば、赤塚不二夫先生とちばてつや先生をまぜたような絵柄だと思ったが、これは違う。しき先生は、1950年代から活躍されており、かなりのキャリア。すでにこの作品で、ひとつの画風が完成されていると思う。しいていえば、丘野ルミ先生と望月あきら先生をまぜたよう。

赤いカンナの花咲く日で、最初に登場人物の紹介があるとネタバレ的だと書いたけど、この本はP1,2が破りとられて、ない。。こうなると、登場人物紹介があったら、見ておきたかった気が。

母娘ものに属すると思うが、意外な展開があったり、すもうがからんで横綱大鵬関が登場したりして、なかなかのものだ。十年前の火事で千恵子の双子の妹、静子は焼け死んだ。千恵子は謎のおじさんとデートをかさねる。おじさんの死んだ娘が、千恵子にそっくりだからと。おじさんが外国へたった翌日、その旅客機墜落記事が新聞に。実はそのおじさんこそ千恵子の実の父だった、
母は教える。意外にも、謎のおじさんは十年前の火事とは関係なかった。でも、これきっかけで千恵子は、双子の妹がいたことを知る。

千恵子は百合子という少女を春風部屋へ案内する。百合子は音楽番組出演のため上京、春風部屋ですもうとりをしている兄、朝岡をたよってきたのだ。テレビを観た千恵子の母はたおれる。百合子こそ千恵子の妹、静子だったのだ。早速、父と千恵子は静子のもとへ。間違いなく百合子は静子で、朝岡が火事現場で救い出した赤ん坊だった。

父と千恵子は、静子を連れてかえり、めでたしめでたし、、と思ったら、母が死んでしまう。待ちかねて、家を出たところをダンプカーにひかれたのだ。病院で息をひきとるとすぐ、静子たちが到着したが。。「逢いたかった人」というタイトルだけど、ひとめくらい静子と逢わせてもよかったのに。。



しきはるみ●めんどうみたよお母さん

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発行:昭和40年2月頃 東京漫画出版社

ラーメンマンガは数々あれど。。。と、これはラーメンマンガではない。家計を助けるべくミエちゃんがラーメン屋でバイトする話。

軽快にまとまってはいるが、ギャグともいえずインパクトは弱い。うんと悲しいとか、恐い系の方が売れたのだろう。しき先生はこの後、スリラーものを描いたりするのである。

まあ、私はこんな感じの普通な生活ものを求めてはいる。けどあしたが呼んでるを読んだあとなので、どうしてもインパクトが弱いと感じてしまうのだなあ。。



しきはるみ●無責任兄妹

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発行:東京漫画出版社

コンチ!!
今回は「無責任兄妹」をとりあげるぜ。

しきはるみ先生はスリラーもので有名だが、これは軽い生活もの。赤塚不二夫先生とちばてつや先生をまぜたような絵柄がいい。妹に自分と同じ「ハルミ」なんて名付けるあたり、しきはるみ先生はノッておられたのではなかろうか。

「無責任」とタイトルされるほど無責任を感じる部分はない。後半でアドバルーンから転落という事故が起きるが、主人公の輝彦は十分責任を感じてるしね。
ただ、大ケガをした石黒太郎はもう登場せず、義母を受け入れる状況だけ描いて終わるってのは、ちと無責任な気が。。。




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