発行:昭和35年1月1日 東邦漫画出版社 長篇ジュニア・ブック
金持ちの家でしあわせにくらせるようにと、母親は生まれたばかりの実の娘を病院でとりかえる。母はユカに、その事実を告げずに死んでしまう。おじいさんのもとで暮らすユカ。山の中では、学校にも行かせられず、実の母をさがすこともできないと、おじいさんはユカをあずける決心をする。ユカの行き先は偶然にも実の母の家だった。おじいさんは真実を書いた手紙をお守袋に入れ、死んでいく。
ユカは、とりかえられた娘、清子にダイヤ泥棒の罪をきせられる。(清子は何故かとてもウランちゃん似…)母は、ユカのお守袋の手紙から、実の娘である真実を知る。家をでたユカは、夢中でいつのまにかおじいさんといた山へかえっていた。山小屋で寝ていたが、育ての母のまぼろしにさそわれて、外へ出て、崖から川へ転落。ユカのあずけ先をとりもったおばさんに偶然救われる。
実の母がむかえにきて、病院へ。失明が心配された目は治ったが、記憶喪失になってしまう。清子は改心して、ユカの面倒をみる。母の歌う虹の子守歌で記憶をとりもどすようだが、ページが切り取られていて詳しくは不明だ。。
全176頁もある本で、一部と二部の間に「真珠のひとみ」というシンデレラ物語風な短編が収められている。これがあるよりも、本編のページ数が増える方がいいな。三条先生らしいダイナミックさには、まだ到達していない頃の作品と思うが、これはこれでなかなかポップな味わいだ。