さいとうゆずる

さいとうなおみ●夢であえるの






発行:1962年9月頃 宏文堂 (表紙:按田武志)

p98のカットに "YUZURU"、ラストに "YUZURUーSAITO・OP・1" とあるのでさいとうゆずる先生の別名にちがいない(OPとは何だろう?)かなり初期の絵柄と思われるが、ゆずる先生らしさはすでに感じられる。

みち子たち仲よし三人は、えっちゃんという女の子とともだちになる。みち子の兄の運転でドライブに行くことに。えっちゃんはくるまによったが、すぐ回復。

「夢であえるの」というタイトルなのでえっちゃんが死ぬ話かと思ったが、すぐ回復している。。強盗をして服役中の父をえっちゃんは、しんだといっているのでそっちのことかなと。。

ドライブからもどると、えっちゃんはたおれる。たいしたことなさそうだと、みち子たちはかえる、で第一部終了。第二部、翌日えっちゃんをみまうと、しんぞうびょうだと。よし、これでえっちゃんが死んでいく話に決まりだ(よくはないけどネ)


10にんのうち9にんまでたすからない手術、「たいへんむずかしい手術ですから」と言うもりた博士、ここまでならいい。だが手術中、かんごふさんが「せんせいがあんなむづかしいかおをなされるのは」といい、脈が四十におちる。。こ、このたたみかけは、、現実世界ならまず死んでしまうだろうが、マンガだと
逆にもう100%助かる展開だ!

忘れ物とりにいったみち子は、けいむしょからかえったばかりのえっちゃんの父とであい、病院へ連れて行く。
手術は成功、えっちゃんは助かり父にもあえて、めでたしめでたし。

結局、夢であうまでもないじゃん。。ドキドキハラハラ感を与えるために、あえて「夢であえるの」というタイトルをつけられたのなら、傑作といえるけどネ。。

ゆずる先生の作品は大ざっぱさを感じることが多いが、この作品では感じない。大ゴマが使用されての書き込み具合は、それらの作品と同じ。違うのは、ドキドキハラハラな話もあるが、やはり絵がみずみずしいことだろう。


【追記】
OP=opus number. つまりゆずる先生の作品番号1ということ。


さいとうゆずる●きえた私





発行:ひばり書房 定価220円 コミックミステリー お手あげビリー第二話

お手あげビリーシリーズの第二話。事務所の先輩でライバル的存在・春田との競争になっていくかと思ったがそうでもなく、次回作「雨の中のリリー」の予告があるのでビリーシリーズはこれで終わりのようだ。

ビリーにそっくりな中学時代の友人チコが行方不明になるので、「きえた私」というわけだ。チコの父である博士が身内を使い人体実験をしていたことをビリーと六作があばく。博士は人を仮死状態にする実験をしており、悪いやつらはその薬で金もうけをたくらんでいた。最後、博士は罪の意識にかられて自殺する。

この事件でもビリーは、女・とも子としてけっこう活躍する。もっとシリーズが続けば、男装の女探偵としての活躍が増えただろうに。絵はかなりいいのだが、話の進行が大ざっぱな印象だ。ビリーや六作の人柄を描くようなお遊び的なくだりがもっとほしい。まあ今回で終了だし、アクションが見せ場だし、仕方ないか。。



さいとうゆずる●ラッキーパンチ

9d7fea14.jpg

3446b2b0.jpg

026dce75.jpg

180f2f9d.jpg

発行:ひばり書房 定価220円 コミックミステリー お手あげビリー第一話

女の子だと探偵事務所に雇ってもらえないので、男装して同級生の六作が勤める事務所で働けることになったとも子。音痴で音楽がビリービリーなので、あだ名がビリーだ。

見た目カッコいいけど、六作とふたりで一人前あつかい。せっかく男装したのに、女のお手伝いさんとして屋敷にもぐりこんだことが一番の活躍のように思える。

社長の屋敷で起こった殺人がテープレコーダーを使った時間差トリックだったことをあばく。証拠のテープのおわりの方に悲鳴を入れたので、何も音がはいってないとされ、警察はおわりまで聞かなかったって、、普通はちゃんと調べるもんだと思うぞ。。



カテゴリ
月別アーカイブ