なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

草野ひかる

草野ひかる●さよなら夜曲

さよなら夜曲_01

さよなら夜曲_02

さよなら夜曲_03

さよなら夜曲_04

さよなら夜曲_05

発行:昭和35年9月25日 きんらん社 青き夢去りぬ より

「青き夢去りぬ」というのは本のタイトルで中身は「さよなら夜曲」草野ひかる、「幸せは雪降る朝に」もりやすなおや、の2作品が入っている。それはいいのだがページ配分が変、、「さよなら夜曲」はp40で終わり、そのあとの「幸せは雪降る朝に」が125頁もある、これは単行本1冊のページ数だ。森安作品の線がぼんやりしているのも変だと思い調べてみると、「幸せは雪降る朝に」は、1957年発行のなかよしまんが物語「いねっ子わらっ子」を改題・再録したものだった。B6判をA5判に拡大しているのでぼやけるわけだし、内容にちょっと古さを感じるのもそのためだろう。

さて「さよなら夜曲」、草野先生らしく背景はイラスト調、人物の線はいいのだけど全身像で頭部が小さくなるのに違和感を覚える。。話は、ほぼ姉と妹の会話シーンだけで終わるけど、これは短編なので仕方ない。

美沙は美代の本当の姉・加代ではないかと考える。予感は当たっていて、小さいときわけがあって加代はもらわれていき、美沙となったのだった。美代の母(美沙にとっても実の母)は「もうこれっきりあえなくなるかも」「お母さんを大切にしてね」と涙をながす。

美代からの手紙で、美代も真実を知ったこと、父母と相談してだまってこのまま別れることがいいと町を去っていったことを知る。美沙は悲しむが、近い将来きっとまたみんなにあえると信じるのだった。

最後のコマ、電柱の貼紙に「忙しいのです」「死ぬほど」とある。草野先生が忙しくて多く描けなかったので、「いねっ子わらっ子」再録となったのかもしれないな。。




草野ひかる●あやちゃん






発行:昭和35年11月頃 三洋社 三つの真珠 第4巻より

草野ひかる先生はこの本の編集もされている。「三つの真珠」の "三" は、「三洋社」と草野先生以外に三人の作品が掲載されていることからだろうか。原稿募集には、タテ21cmヨコ14cmとあり、あらためてA5判原寸仕様なのだと確認できた。

ひとちぽっちの貧しい少女、あやちゃんが先生の知人にひきとってもらうことを決心するまでが描かれる短編。話はよくあるパターンだが、力強い線で描かれるイラストチックな絵がいい。

ロングショットでは、頭がかなり小さく描かれる。ロングの広さを表すためだろうけど、ちょっと違和感を感じた。



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