発行:1964年 宏文堂 オリンピック漫画
表紙は他作家のものではなく、まさに木村先生の絵。タイトルは表紙のみ「はしれ!! 一文字」とビックリマークが入っている。サブタイトルは「オリンピック漫画」「オリンピック少年」の2種類ある。作者名は「木村光久」で統一されているが、肩書が「画・木村光久」「まんが 木村光久」「作画 木村光久」「作者 木村光久」とバラバラだ、、いやもうわざとやってんだろうな。。
4段組なので何かの雑誌に連載されたものかもしれない(連載:ぼくら , 原作:中尾明)。オリンピックをめざす少年・一文字速夫が九州阿蘇から東京にきて、中学校の陸上部でうでをみがく話。
一文字は、伊賀忍法のひとつ一文字流走法で一躍、朝風学園のエースになる。駅伝大会のため親友・三条と多摩川で特訓中、夕なぎ学園の強敵・ヘンリー小川と出会う。ヘンリーは分身の術を使い、道はばいっぱいをジグザグに走って後続者を抜かせないのだ。
阿蘇に帰った一文字は、すがたはいくつにみえてもほんものにはかげがあるという分身の術の弱点を発見。かげのないすがたをつっきり祖父の使った分身の術をやぶる。仲間からの電報でヘンリーは銀ぷんをまきちらしながら走ることもわかった。銀ぷん一つぶ一つぶにすがたがうつって五人にも六人にもみせていたのだ。
駅伝大会がはじまった。夕なぎ学園はひきょうな手をつかいリード。アンカーの一文字はヘンリーを追い抜かねばならない。分身の術を破ろうとした一文字だが、ヘンリーはもうれつなスピードで、かげがきえるよりはやく目にとびこませ、どの分身にもかげがあるようにみせる。銀ぷんをまいていることを思い出した一文字は、一文字流走法つむじ風を使い銀ぷんをふきとばす。分身のきえたヘンリーを追い抜かしてゴール。で、めでたしめでたし。
ひきょうな手を使いたがる夕なぎ学園とはいえ、ヘンリーは分身の術で道はばいっぱいジグザグに走るのなんかやめて、一直線にまっすぐ走れば一文字に勝てたのではなかろうか!?

















