杵淵やすお

杵淵やすお●野辺の白菊






発行:一晃社 マスコットブック12 定価150円

紅吹雪のひとつ前の作品。マコは、捨子のリカを友人や家族の協力で育てる。リカの母親からの送金がとだえたので、調べるがわからなかった。

リカの母親・小夜は郷里の長野に帰ってまもなく亡くなった。小夜の父親がリカをひきとっていって、幕。

1950年代のぼんやりした絵柄ではなく、ちばてつや先生風。キレのいい線が冴えていて、杵渕先生はこの絵だな。マコがちょっとわがままな性格なのもいい。



杵淵やすお●ほたるの光

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発行:昭和31年3月1日 講談社 なかよし3月号ふろく B5判 24頁

「少女歌物語」とあり、唱歌「蛍の光」にかかわる物語となっている。絵はいい方にとれば、1950年代の素朴な味わい。ストーリーは24頁しかないのに波乱万丈、そのためかひねりがない。

小夜が生まれてまもなく、なだれにあって母は死ぬ。父のそまつな旅館を助け、はたらく小夜。客としてやってきた益子先生は、小夜の両親に助けられた女の子だった。いなかの学校へ、遠く危険な通学をするよりはと、小夜の父は益子先生の申し出に従い、小夜を預ける。東京の小学校に転校した小夜は、同級生にねたまれ先生の家から、あるおばあさんの家へ。おばあさんの内職や家事をたすけながらも勉強して、優等で卒業できて、父のもとへ帰ると連絡。で幕。



杵渕やすお●歌う圭子ちゃん

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発行:昭和32年6月1日 集英社 少女ブック6月号ふろく

圭子ちゃんとは、童謡歌手の近藤圭子さんのことだ。当時、童謡を歌う少女歌手がアイドルだったらしい。その生い立ちをマンガ化した作品、伝記物というよりピンクレディー物語の元祖という感じ。

東京で生まれた圭子、やがて戦争がはげしくなる。姉は学童疎開をするが、圭子一家に田舎はない。やっと、母子のみお寺へ疎開できる。お坊さんは幼い圭子にもきびしかった。終戦後、東京へ戻る。幼稚園に入った圭子は、はにかみ屋でよわそう。姉と母は相談して、童謡のぶよう(バレエ)をならいにいかせる。これを圭子は気に入った。父が亡くなるが、圭子は才能を認められスターに。

当時のオーソドックスな絵柄
で1960年代の杵渕先生らしさを感じとれない。ストーリーは変えるわけにはいかないだろうが分別くさく面白くない。当時のアイドル研究には、、冒頭&ラストのページが破りとられて無いので何とも。。



杵渕やすお●少女ふたり

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発行:秀文社 カナリヤ文庫 ピンク3 少女傑作三人集より

今まで読んだのは「杵淵」であったが、この作品では「杵渕」となっている。作者の描き文字なので、「渕」の方が正しそうだ。まあどうでもいいけど。。

かすみは、多摩川でひとみと出会う。実は、2人は病院で入れかえられたのだった。親たちはそれに気づいたが、いままで通りが幸せでよいのだと、2人には告げられず、幕。

50ページの短編では、さほど波瀾万丈できないのだろう。他の短編もそんな感じだ。キレのいい絵柄なので、1冊まるごとの長編にしてほしかったな。



杵淵やすお●紅吹雪

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発行:一晃社 マスコットブック18 定価150円

すばらしき三日のひとつ前の作品。

百合子は、新しい妹とは仲良くできているが、継母からはいじめられる。ホームドラマだが、いじめ作品なのであまり楽しくない。。典型的なざあますママだから、改心するにも大変だ。

ケガをした継母のためにお百度参りをする百合子。病気が重くなり亡くなるよう祈ってるのでは、と疑う継母。それに腹を立てた父が、足蹴にしようとしたのを、間に入った百合子が蹴られる。妹は悲嘆し、自殺しようとする。それで、やっと継母は改心してめでたしめでたし。まあ、こんな継母なら、いくらでも続編が作れそうだけど。

巻末には、作者の近所であった出来事とある。本当かな? だとすると、妹・父・主治医・お手伝いさんは、理解ある人々なので、大変恵まれていたのではなかろうか。




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