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発行:昭和43年12月1日 小学館 少女コミック12月号より B5判 16頁

北島先生、個性的できれいな絵で好感もてるのだが、今まで特に思い入れの作品はなかった。

この本は、冒頭から悲しい話が続く。松尾美保子「青空にはばたけ」は、公害に冒された少女が死ぬ話、ヘリコプターで高く飛んでカナリアを放つけど、鳥も可哀想… 竹本みつる「雪国の青い空」は、わがままに育てられた旅館のおかみが娘らとふれあい、改心して死んでいく話。大谷輝美「あなたはわたし?」はラブコメ。ラブコメはきらいじゃないが、どこかの国のリナやルナが活躍しても、架空の事感が強く、これは感情移入できない。。武田京子「フーちゃん ばんざい!」は、猫。8歳の老猫が、捨てられるところを助かるが、それでも動物をあつかった話は悲しく感じる。そういや、動物ものは昔から苦手だ…

なので、この北島短編も、ルシールが悲しく死んでいくにちがいないと思ったのだが。

おじいさんが、みなし子のルシールにきかせるお話。若者ヤコブは、カタリナを元気づけるために、雪像で見事な花園をつくるが、倒れてしまう。冬の女王があらわれ、つれさろうとするが、ヤコブの気持ちに負け、あついなみだをながしてしまう。ヤコブは助かり、カタリナとしあわせにくらせて、めでたしめでたし。

『ルシール……カタリナにそっくりでかわいい……』というセリフで、気づかねばならなかったのに全然気にもとめなかった。。どこかの国の絵空事感を強く感じてか。。ヤコブとは、おじいさん自身のことで、今度も雪像の花園をつくるが、ついに冬の女王に召されてしまう。

いや、これじゃ病床のルシールは、もう誰にも面倒みてもらえず死ぬのみだぞ! 女王のあついなみだの不思議な力で元気になるということなのだろうけど。。