発行:ひばり書房 定価220円 パントマイムコミックスリラーSTORY NO.1
話は、誘拐された社長令嬢を青年が救い出すというアクションもの。
吹き出しセリフのないパントマイムコミックということで、手紙・新聞・メモなどの文字で補っているな、と出だしは思った。擬音もOKのようだ。でも、考えてることの吹き出しOKはどうもいただけない。読み進むと、さほど吹き出しセリフありと変わりないとも思えてきた。
中ほどの読者コーナーで、この作品についての意気込みを期待したが、川田先生は、スポーツについて述べておられるのみだ。まあ、読者からの「先生はスポーツは好きですか」に応えてのことだが。
一般にマンガを読むとは、吹き出しのセリフの文字を読むことだ。猛スピードでセリフが読み進まれ、絵や擬音は一瞬チラッと目が向けられる程度、だが、その一瞬のためでも絶対に絵はなくてはならない! 私も昔は、その読み方で一晩に新書判コミック1シリーズくらい読めたのだったが、いつのまにか絵をじっくりみるようになっちまったな。それでも、この作品はセリフがない分、はやく読めたと思う。
青春アクションものの範囲からはずれないので、実験作としてはちょっと弱い。逆に、セリフのみで絵のないマンガを筒井康隆先生が描いて、いや書いておられたが、それは立派な実験作だった。
そういや雑誌だったと思うが、絵の部分を文字で表し、吹き出しの中は絵文字というのを読んだことがある。。