発行:1966年2月頃 若木書房 ひまわりブック294
出だし、バレエものかとおもわせられたが、どちらかというと問題のある家族をもつ子らが差別にくるしむ家庭もの。
刑務所から出てきた美智留の父は、改心したつもりだったが、昔の暴力団仲間にさそわれる。美智留は前科者の子とバカにされる。美智留のねがいをきいて、足を洗う決心をした父。うまい具合に、暴力団一斉手入れがあり、父は立ち直る。
今度は、美智留をいじめていたライバル・藤波の父が議員汚職でつかまる。美智留が藤波をはげましにいって、何とか学校にいかせる。
美智留はモスクワのバレー学校に留学がきまる。旅立ちの日、最後まで美智留らをいじめていた矢野も改心。
整った画風だ。ひまわりブックの終盤、もう貸本から雑誌へと移行していく時代、苦手なお目目キラキラの香りがしてくる。
途中、ヘアブラシと歯ブラシをまちがえるくだり、大岡先生はコメディ作品もいけるのではと思う。