大石良平

小川さよ子●ある晴れた日に

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発行:秀文社 定価170円

ふりむいたママではミスがあったが、こちらは背表紙・トビラ・奥付ともちゃんと「小川さよ子」となっており、大石良平の名はない。発行は秀文社だが発売元は宏文堂書店となっているので、ふりむいたママとまあ同系列だろう。

孤児院でくらすマコ。彼女にいじわるをしたサトちゃんを小山先生は説教する。サトちゃんは学園(孤児院)のこうえん会長である父にいいつけ、小山先生は学園をやめさせられる。マコは自分の持ち物に小山先生にもらったのと同じ赤い十字架をみつけ、小山先生が母親だとわかった。で、母小山先生をたずねて東京へ。

先生はすでにひっこしていたが、そのアパートのかんり人さんやラーメン屋のサヨちゃんのところで世話になりながら、母をさがしつづける。

孤児院仲間のたよりで小山先生が浜松にいると知る。向う汽車のなかでアパート近所の友だち茂に出会う。茂の新しい母が自分の母であると知ったマコは横浜でひきかえし、母を茂にゆずるのだった。
孤児院へかえる途中、母にひきとめられる。汽車におとしていた赤い十字架を茂が母にみせたのだった。茂には悪いけどマコは母と浜松にいくことになりめでたしめでたし。

う〜む、茂と義姉弟になれば丸く解決と思うのだが、そうはいかないようだな。。実の娘が見つかったので
、小山は茂の父との婚約を解消したのだろうか?

この作品では、両腕を一方向へ揃えて走る、いわゆる欽ちゃん走りのようなポーズは、p72にそれらしきのが1コマあるのみ。あとは左右にちょっと腕をひらいて手先を上に向けて走っている。独特のポーズはこの後の作品で完成していくことになるのだろうか、、まあこのマコちゃんでも変なかわいさは十分完成しているけど。。


大石良平●涙のわかれ月





発行:ひばり書房 定価130円 ひばりの漫画全集352 B6判 128頁

この作品からは後の大石先生の画風はうかがい知れないが、コマ運びがなかなか巧みでけっこう読ませてくれる。

両親がなく、祖父に育てられるミドリ。クラスメートのいじわるから、母が生きており京都の旅館で女中をしているらしいと知る。京都へ家出したが母は見つからず
倒れてしまう。先生とともにかけつけた祖父から、母はデザイナーになっていて、アメリカに移住するためミドリをひきとりたいといってきたと。

ミドリは
母とともに、伊丹飛行場からアメリカへたつ予定だったが、祖父を1人にしておけないと残るのであった、で幕。



大石良平●暖き母の涙





発行:東京漫画出版社 定価160円 バンビブック

足はちと太目、顔はちょっと子どもらしくない、線はやや単調。好きな大石絵柄の直前という感じだ。

アコの母は、車にはねられ目をやられる。借家をおいだされた母娘は、目を手術するため東京へ。列車で出会った竹井という男にだまされ、アコはタバコ売りをさせられる。タバコを全部買ってくれた絵かきのおじさんが父ではないかと、アコは
おもう。アコが落とした母の絵から、父親も気づく。

泥棒らしき悪事のみはりをさせられたアコはそこから逃げ出す。つかれてたおれたが、ガード下に住むおじいさんに助けられた。手下がやってきてつかまり、竹井の家へむかう、その車を運転していたのは、アコの母をはねたサブだった。サブは警察にいこうとして、車を塀にぶつける。そこへ父の弟子がかけつけ、病院でアコは父と再会、そこへ目のなおった母もやってきて、めでたしめでたし。母の手術をさせてくれたのはサブだった。母をはねた犯人とは知らないアコたちは、サブってだれなのかわからないまま終わる。



大石良平●母に会える日

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発行:東京漫画出版社 定価150円 長編少女漫画 母ものがたり

気になったのは、瞳のアップで、輪郭をギザ線でボカしてあるところ、うるんだ瞳的なものを狙っていらっしゃったのかもだが。。魅力的な絵になる直前、という感じの作品。この1年後くらいに、線はよりなめらかに、頭でっかちながらもっと子どもらしい全身のバランスになっていくはず。

話は、スリ・人買いという物騒な人物が出てきて、大きな事件になっていく。

カンナを育てたとみえおばさんは、実の母が生きていると言いのこして死んでいく。カンナは、東京神田に母をさがしにいく。スリの少年に襲われたのを救ってくれた中田のアパートに世話になる。渋谷にひっこしたらしいときき、行ってみると母らしき人が。追いかけたが、自動車にはねられてしまう。

自動車にのっていた片山が見舞いにくる。カンナの母は横浜にいるという片山とともに横浜へ。しかし、シャリーという外人に十万円で売られてしまう。中田は妹とスリの少年から情報を得て、シャリー家へ。カンナに違いないギターの音をきくが、警察では外国人の捜査は、はっきりしたしょうこがないとできないとことわられる。

シャリー家へカンナの母を連れていくが、門前払い。カンナの母はパリーへたたねばならないので、中田は、夜中にしのびこんで、カンナをつれだすことにした。その夜、シャリーに気づかれるが警察がきて救出成功。娘とスリの少年の説得で、片山が警察に自首したからだった。

カンナの母がのった船は、すでに埠頭をはなれていた。そこへ、海上警察のランチで船へ向うカンナの姿、で幕。最後はゆっくり母に会わせてやってもよかろうに。。



大石良平●母の横顔

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発行:1962年8月頃 東京漫画出版社 バンビ・ブック

問題なのはママで、アル中、昼間から飲み歩いている。上品な中学校にいっているので友達もできないアッ子。週に一度、別居中のパパのもとへいっていたが変化がおとずれる。再婚するパパと一緒に住むようにしむけられるアッ子。しかし、ママとくらすのだと戻ってくる。2度目はママも承知だったのだが、それでも戻ってきた。最後は、女給仲間のいない大阪へいってまじめになろうとするママの決心を知り、父の元でふんとうをいのる。

ギャグマンガも描かれている大石先生。少女系は、1950年代の丸っこい画風から本作のような絶妙なタッチとなるが、これは1〜2年の短い間で、次はフワッとした長い髪に扁平な顔の何だか残念なキャラが主人公になってしまうのだ。



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