江藤ふみお

藤江ふみお●ちいさな夢

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発行:1963年6月26日 東京漫画出版社 バンビブック

首よりも細いウエストが特徴的。それ以外はクセがなく標準的な絵だ。この作品では “江藤” を “藤江” と変えて普通な少女路線を狙っておられたのかな?

マキは留守番をぬけだし、武と映画にいきいろいろおごらせる。その帰りいとこの勇と出会い、武をほったらかして勇の家へ。子どもあつかいされたのに腹をたてて帰る。実は、優等生で要領のいい姉だけが洋服を買ってもらえたのがくやしかったのだ。

口やかましい母よりもと、父に洋服をねだり買ってもらえることに。だが、電車がクルマと衝突事故をおこす。電話で母は父と一緒のタクシーに乗るようにいうが、マキは武と歩いて帰る。その途中で雨になり、小屋へ避難する。大雨と雷におびえているところへ、母がむかえにきてくれる。マキはすなおでいい子になった。ごほうびに洋服をもらえる。姉のと一緒に買った洋服だったのだが、マキが留守番をしなかったのですぐにくれなかったのだ。で、めでたしめでたし。

衝突事故があるものの、すぐに電車を降りてさほど問題ではない。あとは特に大事件は起きない。こういう平穏なのは好みなのだが、マキがいじけていてあまり楽しくない、、最後には改心したけど、そんなにいい子ではないのできっとまたいじけるサ。。





えとうふみお●エレキッ子ヨシツネさん






発行:1966年6月頃 若木書房 はりきりシリーズ6

表紙は "よしつねさん" だが、背表紙とトビラ、そして作品中でも "ヨシツネさん" となっているのでカタカナが正しいと思う(奥付には作品名は記されていない)。てなもんや兄妹なんでもゆう子さんの間に描かれた作品だ。手塚キャラを多用されている、、鉄腕アトムとか、W3とか(マンガではなくアニメからのよう)。

主人公は、ざぁますデカメガネのヨシツネさんだが、イヤミでなくいいキャラクターだ、、まあウランちゃんなんだけど。。

クラスの男子と女子を仲よくさせたいエレキ好きのヨシツネさん。その味方・男性軍のリーダー的存在べんけいさんは、学校祭でエレキとモンキーダンスをとりいれた「女性の勝利」という劇を提案する。そして主役には、女性軍のボス清盛さんになってほしいと。清盛さんも先生も賛成し、順調にいくかと思われたが、三日前になり清盛さんは役をおりる。ヨシツネさんをおとしいれる計画的な作戦だった。

中止になると思われたが、代役が名乗り出て劇は成功する。「女性の勝利」劇の成功と同時に清盛さんは敗北したのだ。そこへ清盛さんのおとうさんが交通事故にあった知らせが。ヨシツネさんは病院につきそい、仲なおりができた。で、めでたしめでたし。


予告「008は特種さん」では、パーちゃんは008ことボールボーイとなっていて球体顔のオバQ、、実際はさすがにオバQではなくなったけど。。


江藤文雄●姫君夢の冒険

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発行:東宝漫畫出版社 定價八十圓 B6判 96頁

表紙では「江藤文雄」だが、トビラでは「江藤文男」。トビラの方が書き文字なので、正しいと思うが。

発行年が不明だが、1950年代だろう。江藤先生の絵柄には、いつも古さを感じてしまうのだが、これだけ古いと逆にもう古さを感じない。セリフは前谷惟光先生風に、わざとらしいのがズラズラつづく。

タイトルにもあるが、目次で最初から夢オチとわかるのが少々残念。。

いきたいところにいける不思議なステッキを手に入れたおひめさまたち。最初におべんじょ、次に北極、そして南洋の島へ。

悪い白人に殺されかけるが、江藤先生? が出てきて、主人公を殺されると困るとうったえた結果、ならばと着物をとられる。水着だか下着だかよくわからないスタイルで、主人公たちはストーリーの大半をすごす。。

ちびまる子ちゃん風な三白眼キャラのおひめさま。スタイルはどうもぼてっとしてるけど、50年代の子どもらしさをあらわしているのだろうか。

人食土人にとらえられたおひめさまを仲間たちが助けにいくが、つかまって埋められてしまう。悪い白人は、土人の宝を奪いにほら穴へ。天井にダイヤを発見した白人は掘り出そうとする。

おひめさまたちの頭をたたき割ろうとこん棒をふりおろす土人、一瞬どかんと音がして、おひめさまたちは消える。ちょうど、真下が白人のいるほら穴で、そこに落ちていったのだった。

最後の章は、おひめさまが夢だっとわかるまでのくだり。仲間といっても彼らは家来、正気にかえらせるためとはいえ、湯をかけられたのを怒り切腹を命じる。このあたりちょっと余計に長い気もするが、冒険の余韻ととれないこともないか。。

江藤先生らしい軽快な進行で、思ったより楽しめた。



えとうふみお●悩みなんかふっとばせ

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発行:1965年10月頃 若木書房 はりきりシリーズ4

主人公の亜希子は、当時の少女ものとギャグものの中間点な魅力あるキャラだが、いかんせん他が古い。えとう先生はこの時にはかなりのキャリアであるはずなので、線はきれいだけど、センスが古いということか。。

話は不良の3年生グループに1年生が団結して立ちむかうというものだが、これも昔の青春道徳ぷんぷんな感じだ。1965年なので、こういった古き良き学生ものはあたりまえだったかというと、そんなことはないと思うのだが。。

不良3年生はやられるが、その親たちは学校を許さない。ボスはPTA会長である真知子の父。亜希子の姉のお見合い相手である青木は、自分が1年生に戦術を教えた責任を感じて、真知子の家へ。一等兵だった真知子の父がついていた大将が、青木の父であることが判明。で、改心して、親達は学校へあやまりにいって、幕。このように、階級に屈服するのもどうもなぁ〜。



えとうふみお●なんでもゆう子さん

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発行:1966年9月頃 若木書房

てなもんや兄妹でウランちゃん的キャラを登場させたえとう先生。そのキャラも、だんだんえとうキャラになってくるかと思いきや、、逆に手塚オリジナルに近づいている。。その方がウケがよかったんだろうか、この作品がちょっとSFよりだからか。いやしかし、おそ松くんのママとパパそっくりも登場するし。。。

扉のタイトルは「008(パア)ちゃん海底人の襲撃」となっていて、ユー子ちゃんの弟、パーちゃんもかなり活躍する、海洋SF冒険もの。

2万年ぶりに地上への再進出を狙う海底人を、国際麻薬Gメンの兄とパーちゃんたちが阻止する話。

ユー子ちゃんは中ほどでつかまって、海底の国へ連れて行かれる。その国では、地上にいた恐竜や人間を動物園で飼っている、という設定は面白い。

海底人の急所は頭で、ここを割られるとおしまい、カッパに通ずる。地上進出のための金を麻薬によりつくるとか、麻薬Gメンの部長が黒幕だったりとか、思ったより練られている。

荒唐無稽といえばそれまでだが、ずい分と面白かった。。



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