なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

楳図かずお

楳図かずお●城跡にひそかに集まれ!!

城跡にひそかに集まれ!!_01

城跡にひそかに集まれ!!_02

城跡にひそかに集まれ!!_03

城跡にひそかに集まれ!!_04

城跡にひそかに集まれ!!_05

発行:1965年2月頃 ひばり書房 楳図かずお幻想ロマン

女の子あつまれ!の元となる作品。表紙・背表紙では「城跡にひそかに集まれ!!」、奥付では「城跡にひそかに集まれ」だが、トビラでは「城跡へひそかに集まれ」となっている。作品中に出てくる決まりゼリフが「城跡へひそかに集まれ!!」なので、"城跡へ〜" が正しいに違いないと思うが、まあ正式タイトルは "城跡に〜" で仕方がないか。。

徹底した男尊女卑の植田の町。小山和子は、消しゴムを落としたことで西条輝彦と仲よくなる。西条になぐられたと思われた和子は、男性打倒決死隊である紅玉隊の隊長にされる。紅玉隊は夜な夜な城跡に集まり、空手や剣道のけいこをする。

それに気づいた男性軍は、西条を隊長にしたて白玉隊を結成。河原で大決戦が始まる。隊長同士の勝負となるが、和子と西条は「男も女も平等に仲良くしましょう」とうったえ、城跡の抜け穴に逃げる。人々は二人をさがすが見つからない。三日目、男女合隊による紅白隊による大規模そうさくの結果、抜け穴にて息もたえだえの二人を発見。人々はおどろきかつよろこび、大祭りをおこなった。で幕。

読者ページがたくさんあり、本編は120ページで終わる。あっさりした物語で城跡から河原への抜け穴の描写はほとんど無くて、雰囲気がわからない。けど、先に読んだ女の子あつまれ!の記憶が、描かれていない部分を補って充実した話と感じた。頁数多く緻密な背景の女の子あつまれ!の方が完成度は高いが、主人公はこちらの和子の方がかわいいナ!



城跡にひそかに集まれ!!_06

ひばり書房につれてってもらった日本平旅行での写真(楳図かずお先生・小島剛夕先生・池川伸治先生)楳図先生ってこの頃からすでにボーダーなのネ…

楳図かずお●まだらの少女

まだらの少女_01

まだらの少女_02

まだらの少女_03

まだらの少女_04

まだらの少女_05

発行:2010年9月10日 講談社 楳図かずお画業55th記念 少女フレンド/少年マガジン オリジナル版作品集1より
文庫判 126頁

文庫判の大きさではあるが、オリジナル誌面に近づけるべく再現したものということだ。なるほどB5判の雑誌スキャンを原稿とする場合、文庫判くらいだとあらが目立たないかな。けど、よく見るとチグハグ、、ちょうどに感じるコマもあれば、何故か網点処理がされて見苦しいコマ、さらにはトレースしてあると思われる綺麗なコマ、それに陰影がつけられたコマとごちゃまぜだ。。基本はちゃんとした原稿を使い、オリジナル誌面に合わせていって、ない部分に雑誌からのスキャンが使われているようだ。う〜ん、これだと、全部スキャンの方がいいな(変な網点はなしでネ)。いやそれでも雑誌からだと甘いか、、もう原稿がない場合は雑誌のスキャンを液晶のフルカラー画面で見る方がいいかな、単行本にせず雑誌まるごとをオンラインで読めるのがベスト(それにしても古くて荒い雑誌だと処理が難しいか…)。

「まだらの少女」は、「ママがこわい!」の第2部。ヘビ女は病院を脱出。弓子は夏休みを利用して美土路村のおばさんの家へ。ヘビ女は復讐のために来たのだが、その村のへびやしきはヘビ女の生まれた家だった。村人たちはへびやしきに火をつけヘビ女は焼け死ぬ。

だが、ヘビ女の血のはいった血清を注射されていた、いとこの京子がヘビ女になっていく。さらに京子一家全員がヘビになる。京子たちは弓子をヘビ女にしたて、村人たちと追いつめる。老人がねんのために弓子がほんとうにヘビ女かどうかためそうと、たばこのやにをつけた木を弓子に持たせる。弓子は平気だったが、京子は逃げて崖から落ちる。大量に血を流した京子は一命をとりとめ、おばさんたちもふつうにもどって、めでたしめでたし。

「ママがこわい!」は怖くなかったが、この第2部はけっこう怖い。1〜2部まとめると、読み応えのある傑作になると思う。弓子のおばさんの村がヘビ女の故郷でもあったというのは、ヘビ女も言っているが "ふしぎなめぐりあわせ" すぎるなァ。。 



楳図かずお●紅グモ






発行:1965年 講談社 週刊少女フレンドよりの切り抜き

どこかで読んだ気がする。文庫本に入っていたかな? その文庫本をうまくひっぱり出せた。1996年10月20日発行の楳図かずお恐怖文庫・10に全編収められていた。くらべてみると、まず文庫にカラーページ(巻頭に4頁だけだが)があるのが目につく。巻頭カラートビラは後年描かれたもので力作だが、雑誌のトビラの方がカラーではないけど当時の画風な分いい。そのあと3ページあるカラーは、指定着色で色がイマイチ。。コマ組みが変更されているいるシーンがある。セリフも変更されて、文庫は漢字が多くなっている感じ。さらに文庫では全体に網点部分が追加されている。で、かなり違うイメージ、、雑誌の方が迫力があっていい! 文庫サイズに縮小された線は非常にきれい。だが、細部が飛んでしまってそのままじゃ全体白っぽいだろう、そこに網点が加えられバランスよくなっているけど。。こわさが違う、荒い紙の方がいいという稀有な例、、いや稀有なんかじゃないか〜!?

話は雑誌も文庫も同じ。美也子の家にきたあたらしいおかあさんは、美也子や姉のたか子をなきものにして、財産をよこどりしようとたくらんでいた。クモ学者のおとうさんのかっていた紅グモを口に入れ、たか子をころした。が、たか子はお墓の中で生きかえりはいだしてきた。老婆の姿になってしまったたか子は、じぶんの家にばあやとしてすみこむ。まま母は紅グモのぬいぐるみをつかって美也子をおどし気を変にさせる。たか子はクモの糸を巻きつけまま母を殺す。

クモ学者の家は相当はお金持ちなのだな。精巧な紅グモのぬいぐるみなんて何百万円もするだろうに。まま母はそこまでしても完全犯罪を目指していたのネ。

体を紅グモに占領されたたか子、ついに意志も紅グモのものになってしまう。そしてたか子の体をくいつくした紅グモは、美也子の友だち・れい子にのりううつる。次に紅グモは美也子をねらい、とけい塔においつめるが、美也子はうまく逃げ出す。ついに美也子の家へしのびこみ追いつめたが、逆に水の中(プールか溜池、川ではない)へ突き落とされる。父が研究中の紅グモをたいじする薬が水の中でうまくひろがったため、紅グモは全滅。で、めでたしめでたし。

れい子はもとにもどったとのことだが、死んでしまったたか子は浮かばれないなあ。。クモ学者の父がどうにも怪しいキャラなので、最後に全てを仕組んだ悪人としてあばかれるかと思っていたのだが、そんなことはなかった。。

美也子のキャラは可愛いけど見慣れてきて感動は薄い。この作品では老婆のたか子と紅グモのれい子が、こわカッコよくて印象に残る〜!


紅グモ_06

紅グモ_07

紅グモ_08



楳図かずお●ねこ目の少女






発行:1965年 講談社 週刊少女フレンドよりの切り抜き フレンドスリラー劇場

楳図先生、少女フレンドでの初連載作品。4回連載だが後半2回のトビラが欠けているのが残念。表紙と違ってトビラ絵は、ほとんど本人の絵だし、本編の画風と同じだし、雑誌切り抜きならあってほしいものだ。

そのむかし、加賀の殿さまはねこが大きらいでつかまえさせてはすべてころしていた。ふたごの姫様が生まれたが、雪姫はねこそっくり。がまんできない殿は、雪姫のたべものに毎日、毒をもった。彫りかけのねこの像が未完成のまま雪姫は死んでしまう。

現代、ヒトミ・木ノ実のふたごが加賀家に生まれていた。庭に埋まっていたねこの像をみつけたヒトミの顔はねこそっくりに。木ノ実にねこの像を彫る姿をみられたヒトミは、ナイフで襲いかかるが階段から落ちて死んでしまう。

木ノ実だけにカリカリという音がきこえるようになった。その音はヒトミがかんおけをやぶる音で、よみがえったヒトミは加賀家へもどってきた。自分を雪姫と名乗りねこの像をもとめる。ねこのすがたを像にうつして、加賀家ののろいをとくのだと。勉強べやにかぎをかけてねこの像を完成させたとたん、雷が落ち雪姫はたおれる。気がついたヒトミはもとの顔で雪姫のこともおぼえていなかった。で、めでたしめでたし。

こんなことじゃ殿さまにころされたたくさんのねこは浮かばれないニャア。。ママがこわい!とちがって、この作品はさすがにこわかった! 絵は貸本時代よりも可愛く、低年齢むきにされているようだ(一緒に読んだ「百本めの針」「あなたの青い火がきえる!」も同じ可愛い絵柄)。といっても、ねこの顔の方はただこわい、、この対比がいいのだろうネ。


ねこ目の少女_06



楳図かずお●ママがこわい!

ママがこわい!_01

ママがこわい!_02

ママがこわい!_03

ママがこわい!_04

ママがこわい!_05

発行:1965年 講談社 週刊少女フレンドよりの切り抜き

ロマンスの薬で、単行本化時の加筆部分に違和感を感じた。で、これは雑誌オリジナル、連載時の絵が違和感なくわかり、トビラ絵までわかる。欄外は別冊フレンドほどうるさくない。のはいいのだが、、今度はもっといい紙質で楳図先生の線を味わいたいと思ってしまうなァ。。

退院してきた弓子のママはヘビ女だった。追いかけられた弓子は病院へ。閉じ込められていた本物のママから「冷凍室へおにげっ」といわれ冷凍室へ。寒さに弱いヘビ女は凍りついてしまい、めでたしめでたし。

ちょっと物足りない。それに対応してくれるかのように、来週号からは「ママがこわい!」の第二部、「まだらの少女」がはじまると。う〜ん、何だか貸本漫画のラストで続編へと告げられた気分。。

カテゴリ
月別アーカイブ