なツマグ

最初のデータ行で一番多い「A5判130頁前後」は省略

浅丘ルリ

浅丘ルリ●お嬢さん別荘

お嬢さん別荘_01

お嬢さん別荘_02

お嬢さん別荘_03

お嬢さん別荘_04

お嬢さん別荘_05

発行:1963年2月頃 東京漫画出版社 浅丘ルリシリーズ20

シリーズ20巻目だが、まだおてんば娘というよりお人形さんキャラの時代だなァ。。

春休み、軽井沢のいとこのマリ子の家に遊びに来た順子。別荘住まいのルリ子と友達になる。ルリ子は義理の姉にじゃまものあつかいにされて、東京からこの別荘に来させられたのだった。

ルリ子の問題について話が進むのだと思ったら、順子・マリ子にも問題が発生する。

順子はもらわれっ子で、実はマリ子の姉だった。マリ子は、お金がなくきれいな洋服が買ってもらえないことを悩んでいた。

順子は、それでも東京のママの子だと実の母に宣言。母は、マリ子が生まれた年にお父さんが事故で亡くなり、お父さんの兄に順子をひきとってもらったのだと打ち明ける。マリ子は、東京に帰った順子からセーターやブラウスを送ってもらっていたが、母にさとされ、いけないことだと断る。

第2部はp.97からはじまる、、やはり三人もの問題をあつかってしまい、ページが足りなくなった感じ。。

新しくきたお手伝いさんは冷たい女だが、義理の姉が毎日毒薬をルリ子の食事に入れていることに気づいてゆする。お手伝いさんは金をもらい出ていくが、義理の姉はルリ子にやさしくされるたびに気が狂っていき、自殺する。で、幕。




浅丘ルリ●赤い星の占い娘






発行:昭和42年3月頃 東京漫画出版社 少女スリラー 幻想と怪奇

浅丘ルリ先生のスリラー、初期のころは現実にありえる推理ものだったが、この作品はもう超常現象によるものだ。絵は冴え渡ってその幻想と怪奇を盛り上げてくれている。おてんばものの方が好きだけど、これはこれで傑作だナ〜!

海野ルリ子は不思議な赤い星からの光線で、占い能力を身につけ、自分の出生の秘密を知る。その能力で岩渕姉弟の母がおじに殺されたことをあばく。

最後はルリ子の出生の秘密があかされる。パパがインドで愛しあったインデーラの娘だった。インデーラとルリ子を日本へつれかえるとき、インデーラの母である星占い師は、赤い星が赤ちゃんに奇蹟をおこすよう祈ったのだった。

娘・ルリ子はパパの友人の子供だと奥さんにいって養子に。娘とはなれたインデーラは淋しくて気が狂ってしまった。ルリ子が逢いにいった日、弱っていたインデーラは死んでしまう。やがて赤い星は日本の空から去り、ルリ子はもとの愛らしい少女にもどっていた。で幕。

プロローグを読んだ時点で、不思議なことが次々と起こっていって、最後一気に出生の秘密があかされる展開になるのだろうと思った。が、そうでもなく岩渕君の問題がひとつしっかりと描かれていた。

出生の秘密があかされるラストになると、もうページが少なくナレーションを多用されるが、ただの文章の羅列にせずデザイン処理しておられるのはさすが。




浅丘ルリ●少女魔術師

少女魔術師_01

少女魔術師_02

少女魔術師_03

少女魔術師_04

少女魔術師_05

発行:1964年1月頃 東京漫画出版社 浅丘ルリシリーズ30 ルリサスペンス

うわさのミル子と死神の使者の間に出された作品。恐怖系の墨一色ではなく、紺とピンクのインクが交互に使われている従来のバンビブック少女もの仕様。 "ルリサスペンス" というサブタイトルから、超常現象のない推理ものに近いのではと予想、大体あっていた。

みなし児の養護施設から不思議な屋敷へもらわれていった昌子。不気味なことが次々と起こる。

昌子の前に屋敷にいた少女は気が狂って沼へ。昌子は屋敷を出ようとしたが、地下室へ閉じこめられる。もうひとりの少女は自分を魔術師だと名のる。さらに新しくきた少女といっしょに脱出しようとした昌子だったが、つかまりまた地下室へ。

そこには女主人と気が狂った有馬教授がいた。女主人は有馬教授の助手だった。薬品のバクハツで醜い顔になった女主人は有馬教授に皮膚移植をさせようとしていた。その皮膚のため多くの少女が犠牲になっていたのだ。有馬教授は娘である少女魔術師の命令でしか実験しないのだった。

先に死んだ少女のメモから薬入りのポータージュスープを飲まず正常でいられた昌子は、少女魔術師にその男はあんたのお父さまであんたたち親子はその女に利用されているのだと告げる。我にかえった少女魔術師はナイフで女主人を刺す、で幕。

ひっぱりにひっぱって、この調子でちゃんと終われるのかと思ったが、ラスト一気に解決した。有馬親子は気が狂っていたのだから、女主人さえ死んでしまえば悪人はいなくなるわけだ。

絵はもちろん冴えていて、書き文字サブタイトルもいい。不気味さをあらわすベタも効果的で、浅丘怪奇パターンはすでに完成されてるねェ。



浅丘ルリ●台風一家にご用心

台風一家にご用心_01

台風一家にご用心_02

台風一家にご用心_03

台風一家にご用心_04

台風一家にご用心_05

発行:昭和39年9月頃 東京漫画出版社 浅丘ルリシリーズ

東京へ来た十七才の多喜。両親を亡くし、おじさんの知りあいの家にお手伝いさんとして住み込むためだ。高岡家のひとびとは色々問題ありで大変だ。

末っ子のルミ子は多喜の一番の理解者、だが母は姉にやさしくルミ子にはつめたかった。実の娘ではないとわかったルミ子は家出する。おいかけた多喜は自分も出ていくと。ルミ子は多喜といっしょにいたいと家へ帰る。

次女の朝子はとてもつめたい。最後までその態度は変わらない。

長女の冷子は不良とのことだったが、わけがあった。父の会社がたすけをうけている会社社長の息子と結婚させられるので、その日まで夜遊びをしたいのだ。多喜が高岡家を出ようとしたのをひきとめて旅行にさそう。そこで多喜は気持ちがさっぱりして勇気が出てきた。が、冷子は自殺しようとしていた。多喜がひきとめ、つらくてもがんばろうと改める。

テレビ局につとめる長男の重隆は多喜をお嫁さんにしたいと。母親に反対されて多喜は家を出ようとしたのだった。

母親は多喜にきびしく、ヒステリー持ちだ。朝子と同じく最後まで変わらない。

父親は留守がちで出番はほとんどない。。

愉快なタイトルとはうらはら、なかなか深刻な話。朝子と母親が改心することなく終わるのはシリアス。。けど、絵は冴えていて、多喜・ルミ子が生き生きと描かれ、楽しい作品に仕上がっているネエ!





浅丘ルリ●いじわるとお人好し

いじわるとお人好し_01

いじわるとお人好し_02

いじわるとお人好し_03

いじわるとお人好し_04

いじわるとお人好し_05

発行:東京漫画出版社 定価200円 浅丘ルリシリーズ

いじわるな妹とお人好しな姉のコメディー。浅丘先生のことだからいじわる=悪人ということではなかろうと思ったらそのとおり。お人好しすぎる姉・秀子をちょっと性格のきつい妹・エミがしっかり助けている。絵はもう絶品で、おてんばな女の子をイキイキと表されている。

お人好しの秀子はすぐにだまされて、宿題の答えをみせたり、貧しい子に三千円あげたり、テストの一番をゆずったりする。エミは、宿題の答えをでたらめに書きかえ、三千円をとりもどし、テストの一番のことをバラす。相手からしかえしされフライパンでなぐられたりするが、それもしかえす。

エミはすごくしっかり者のいい子というわけでもなく、ウソをついて宿題の答えを見せてもらったり、とりもどした三千円の半分は自分のものにしたりするので、 “いじわる” といえるだろう。秀子はもうわざと試験まちがえたりしない、と “お人好し” すぎるのが少し直っていく。

最初、エミってこんなだと男の子や大人からこっぴどい目にあわされちまうのではと思ったが、読み進むにつれ全然へこたれないすごい性格の子だとわかった。その性格がこの作品をおもしろくしてくれているんだネ。




カテゴリ
月別アーカイブ