おらあ五郎太_01

おらあ五郎太_02

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おらあ五郎太_05

発行:1966年9月頃 若木書房 福島史朗長篇シリーズ

福島先生の登場人物はどこか屈折しているのが特徴だ。この作品では主人公の五郎太より、新担任の東正一にそれを感じる。

おじの家に世話になる正一。教師よりも、海外勤務できる会社に勤めたかった。おじからレジャーホテル経営に参加してくれと言われる。乱暴者の五郎太の担任になった正一。ガキ大将に折られた鉛筆をプレゼントするが、五郎太は学校にこなくなる。正一はおじのホテル経営への参加を決心。唯一の理解者、源じいから勉強を教えてもらった五郎太は、できるようになり笑い者にされなくなった。

ホテル建設のため立ち退きをせまられる源じい。五郎太は業者とやりあって崖から落ちて死ぬ。源じいから五郎太はあんたが好きだったと言われる正一。自分が何をしてやったかと考える正一。一生を学校の先生で通すと決心。五郎太に何かしてあげたかった。それから……
ラスト全面一コマでもう一度「それから……」という一言が添えられているのが印象的。