cda36bfa.jpg

177bd584.jpg

bfd1cb07.jpg

cffac9a3.jpg

発行:若木書房 定価90円 傑作漫画全集 B6判

はりま昭吾先生というと、手塚治虫先生と杉浦茂先生の中間的な画風だと、漠然と思っていたけど、そうでもない。この頃の正統派少女マンガ調かな。

絵は達者だけど、どうしても古い。団子っ鼻の主人公にはなかなか感情移入しにくい。。B6判三段組の小さなコマに全身が入る。見開き1コマの大画面も同じようなコマ取りで、古い感じ。A5判の時代(1960年代!?)の方がしっくりくる、それも古いのだけど。。まあ、この時代はこんな感じだと思って楽しもう。

抜子の父、大場加貫一はとんでもないお金持ちだ。女中や書生が何十人もいて、買物は定価より高くして買うし、たまってしまったお金をすてさせるほど。。成績の良い秋子をねたむ抜子。貫一は、手下のゴロ吉に秋子を襲わせる。棒で殴られて、秋子は頭がわるくなる。改心したゴロ吉は、東京で医者をやっている自分の兄にみてもらうようすすめる。

秋子と母は東京へ行くが、その医者は交通事故で死ぬ。東京で父とくらすと言って出てきた秋子。ゴロ吉の兄が面倒をみてくれるはずだったが、その妻は冷たくそうはいかない。

秋子と母は小さな家を借りて暮らし始める。秋子の頭は、自然に少しずつよくなる。母は仕事の無理がたたって倒れる。近所のびんぼうえかきと思っていた人は、有名画家で秋子の父だった。病院に向ったが、タッチの差で母は死んでしまう。

秋子は父と、新しい母と暮らすことになって、最後ふるさとへドライブするシーンで幕。「いじわるだった抜子たちは、どんなかおでむかえたことでしょう」とナレーションが入ってのラストだが、有名画家とはいえ、けた違いの金持ちである大場加貫一には、さして影響を与えないと思う。。