発行:昭和34年2月5日 若木書房 傑作漫画全集555 B6判 128頁

きれいなスッキリした絵柄、長靴足ではなくちゃんとくびれがある。でもB6判ハードカバーの本では、どうしても線の太さは均一だ。三段組であり、高さ5センチ以内に全身を収めなくてはならなかったと思え、線の強弱は輪郭を太くして表現する程度だ。

いづみは、山の上にある白菊農場という感化院に入れられる。仲間からはいじわるされ、園長夫婦からも問題児あつかいされる。学校の村井先生だけが、親身になってくれる味方だった。だが、その先生も東京へお嫁に行ってしまう。後半になって、いづみの身上があかされる。父母を亡くし、育てられた祖父母も他界、おじにひきとられたが、叔母とその子どもたちからはきらわれ、白菊農場へあずけられた。(まあ、よくある設定だ)

おつかいに行ったいづみは証書と金を落としてしまう。証書はみつかったが、金はみつからずいづみはせめられる。困ったいづみは村井先生に手紙を書く。金は道中出会ったユキがひろって、母親の入院費にしていた。先生がやってきて金をたてかえてくれ、いづみも東京へ行くことに。駅へ向かう途中で、ユキが白状する。いづみと先生は許して去っていき、めでたしめでたし。