星城朗二
発行:1961年9月頃 若木書房 ひまわりブック94
カラーページの色づかいが大変ハイカラできらびやか。学生帽の少年までもブルーの彩りが。。星城先生の地元北海道が舞台だが、北海道も定期客船もポップな星城ワールドに昇華されている。
ほれぼれする絵なので、ただでさえ遅読なのに90分近くかかって読んだ。食べカスらしきゴミ等を、ネイルケア用キューティクルプッシャーでかき落としながら読むから、そっちの時間もかかったのだけど。。
釧路へむかう定期客船で謎の少年に追いかけられる順子。一等船室の女性にかくまってもらえる。少年、弘は順子の父が営む小さなホテル、リンドウ荘へ客としてやってくる。弘の死んだ妹エリに似ていたので、順子は追いかけられたのだった。
東京のおばさんからの手紙で、探していた姉が映画スターの玉野花代であり、地元の幌原町にいると知る。姉は、ライバルホテルのサソリ荘に泊っていた。サソリ荘主人の陰謀がしくじって、湖水がサソリ荘へ。姉がとりのこされたが、弘に救われめでたしめでたし。
最初に客船でかくまってもらった時、順子か姉のどちらかが気づいていれば、16ページで終わっていたのに。。
自分の妹を母に会わせることができなかった弘だが、姉と妹、父と子を会わせられたことに満足してか翌日、高原の町をおりていく。
発行:1963年2月頃 若木書房
原作:堀孝子
原作付きだからか、話はしっかりしている。ひとみの家にやってきた新しいママ千佳子とリンダ。千佳子の狙いは父の財産、そしてリンダをバレリーナとして売り出すこと。父は何かの博士で、学術調査中に行方不明になる。千佳子は家を売り、東京でリンダを売り出す。
金鉱を発見して戻ってきた父は家を買い戻し、じいや・ばあやも呼び戻されめでたしめでたし。まだ続きがあって、ひとみはリンダの手術費用にと自分のエメラルドを差し出す。千佳子は改心して質素になっており、一家はやりなおす。
最後のコマで、じいやがバラの花園で働くシーンがあってはじめてバラがでてくる、、いやその前にリンダの見舞いシーンに一応でてきていたか。。
さすがといえるうまい絵で、女性マンガ家でもおざなりになりがちな靴までも丁寧に描きわけられている。星城先生は後年、田中英二としてアニメ界に転向される。その作品「アストロガンガー」「チャージマン研」あたりのタッチもうっすら感じられる。
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