星城朗二

星城朗二●少女スター誕生

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発行:1962年5月頃 若木書房 ひまわりブック127 A5判 144頁

母親と東京へでてきたルミが、トントン拍子にスターになっていく話。特に障害もなく成功していくのだが、それでも十分おもしろいのはもう絵が絶品だから! 華麗な線とハイカラなファッションセンス。ストーリーや構成も決して悪くない。

p100にきて黒メガネの男から実の母親がいると知らされる。宿題もできないほど仕事におわれていたルミは実の母のもとに。ここにきて継母ものの展開とは、、残りページが少ないぞ。でもすぐににせものとわかって、育ての母のもとにもどりめでたしめでたし。じゃあ本当の母はどうなったのか、ちょっと気にかかるけど。。



星城朗二●いもうと

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発行:1961年9月頃 若木書房 ひまわりブック94

カラーページの色づかいが大変ハイカラできらびやか。学生帽の少年までもブルーの彩りが。。星城先生の地元北海道が舞台だが、北海道も定期客船もポップな星城ワールドに昇華されている。

ほれぼれする絵なので、ただでさえ遅読なのに90分近くかかって読んだ。食べカスらしきゴミ等を、ネイルケア用キューティクルプッシャーでかき落としながら読むから、そっちの時間もかかったのだけど。。

釧路へむかう定期客船で謎の少年に追いかけられる順子。一等船室の女性にかくまってもらえる。少年、弘は順子の父が営む小さなホテル、リンドウ荘へ客としてやってくる。弘の死んだ妹エリに似ていたので、順子は追いかけられたのだった。

東京のおばさんからの手紙で、探していた姉が映画スターの玉野花代であり、地元の幌原町にいると知る。姉は、ライバルホテルのサソリ荘に泊っていた。サソリ荘主人の陰謀がしくじって、湖水がサソリ荘へ。姉がとりのこされたが、弘に救われめでたしめでたし。

最初に客船でかくまってもらった時、順子か姉のどちらかが気づいていれば、16ページで終わっていたのに。。

自分の妹を母に会わせることができなかった弘だが、姉と妹、父と子を会わせられたことに満足してか
翌日、高原の町をおりていく。



星城朗二●一りんのなでしこ

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発行:1961年10月頃 若木書房 泉(No.41)より

兄と2人暮らしのいね子。兄は仕事が終わると、テレビ学校に通っている。まもなく卒業して、テレビ技師になれるという時期。友人にそそのかされて、強盗かドロボウかわからないが、大金を手に入れる。

いね子に説得されて、兄は自首する。友達になったあさ美の父である、刑事は気づいていた。自首すれば罪が軽くなると、捕まえず見守るのだった。

ありがちな話だが、絵が実にいい。一輪のなでしこの花が二人を見おくる、とラストのコマ。冒頭あさ美と出会うシーンにも、なでしこの花を出してくれていれば、タイトルにも納得いったのだがなあ。



星城朗二●ばら咲く花園

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発行:1963年2月頃 若木書房
原作:堀孝子

原作付きだからか、話はしっかりしている。ひとみの家にやってきた新しいママ千佳子とリンダ。千佳子の狙いは父の財産、そしてリンダをバレリーナとして売り出すこと。父は何かの博士で、学術調査中に行方不明になる。千佳子は家を売り、東京でリンダを売り出す。

金鉱を発見して戻ってきた父は家を買い戻し、じいや・ばあやも呼び戻されめでたしめでたし。まだ続きがあって、ひとみはリンダの手術費用にと自分のエメラルドを差し出す。千佳子は改心して質素になっており、一家はやりなおす。

最後のコマで、じいやがバラの花園で働くシーンがあってはじめてバラがでてくる、、いやその前にリンダの見舞いシーンに一応でてきていたか。。

さすがといえるうまい絵で、女性マンガ家でもおざなりになりがちな靴までも丁寧に描きわけられている。星城先生は後年、田中英二としてアニメ界に転向される。その作品「アストロガンガー」「チャージマン研」あたりのタッチもうっすら感じられる。




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