発行:昭和三十一年二月十日 東京漫画出版社 B6判 東京漫画文庫24
涙のおどり子が昭和33年、悲しき白鳥の歌が昭和32年、そしてこの作品は昭和31年。このようにさかのぼると、絵柄がかなりさし絵に近くなってつまらないのでは、と思ったがそうでもなかった。確かにさし絵っぽくはあるが、十分マンガとしての味がある。
みゆきと母は、空襲で家を失う。八百屋に世話になるが母がたおれる。母は入院し、みゆきはおじのもとへ。おじは外国へいってしまい、その妻と娘のれい子からいじめられる。
音楽の先生はみゆきの兄の親友で、色々世話をしてくれ、希望ができた。
溺れたれい子を助けて、その母も改心。みゆきは音楽コンクールで一等をとり、歌手デビューが決まる。
戦地から兄が帰ってくるが、それをひと目みて、母は死んでしまう、で幕。
単なるハッピーエンドではなく、母親が死んでしまうので、ひきしまっている。