発行:昭和34年3月5日 若木書房 傑作漫画全集

中島利行先生を1950年代風にしてくどさを取ったような絵柄。もう1960年代に近いからか、さほどずんぐりむっくりでない。

珠美は父のさしがねで、金持ちの春美家へもぐりこむ。母の入院費のため、宝石どろぼうをするつもりだった。が、それはできず、父と相棒が泥棒を実行。父は改心して自首する際、珠美が実の子でないと告げる。実は春美の姉であったことが判明する。最後、父母妹とアメリカへ行かず、珠美は育ての母のもとへ。

「涙の別れ船」とは、ラストで客船がでてくるが、もうひとつ大水害の時、赤ん坊の珠美が乗って流されたタンスの引き出しにもかかっていると思う。